第9章 初遠征
「すまない!本当にすまない兄者!!」
あみだくじの結果、選ばれたのは膝丸でした・・・じゃなくて、膝丸とへし切長谷部だった
「あはは、いいよ選ばれなかったからって弟切ったりしないって。」
「あ…兄者ぁ~…」
「あ、現世のお土産は主から聞いた〈げんじぱい〉?と頼むよ」
と、源氏兄弟様が騒いでいる横で長谷部が主ちゃんに詰め寄っていた
「主!俺はお世話係として主のおそばに…!」
「じゃあ今日は主命ってことできっちり冴姫を守ってね」
「うぐっ…いや、は…しゅ、主命とあれば…」
『なぁにその苦渋の選択みたいな返事は』
「誰が好き好んで貴様の護衛などするものか。俺は主専属なのだ!!」
と、長谷部とあたしが騒いでいる間に、主ちゃんはまた声をあげて遠征に行くメンバーを集める
「はい、じゃあ6振りは各々遠征に行くときの正装に着替えてまた集合ね。他の奴らはそれぞれ内番だったりをするように。あと、お土産なんかは先に頼んでおくようにね」
と言って、その場は収まった
あたしは、長谷部といがみ合ってから自室に戻ろうとした時、「冴姫!」と主ちゃんに呼び止められた
『何?』
「はいこれ。」
『えっ?』
「あんたはこれを着て。それで、他の奴らには・・・これ」
と、渡されたのは一冊の本・・・いや、厳密には雑誌だ
それはメンズモデルの雑誌だった
「全員分用意するのがいやだったから、あとで自分たちで買わせて。お金は経費で出るから」
『あ…うん』
この主ちゃん、なんで審神者になったのか時々疑問に思う時がある。でもこのメンズ雑誌を見ると彼らに合いそうなかっこいいものばかりだったからあたしも買い物をするのが少し楽しみになってきた