第9章 初遠征
「ちょいちょいちょい!!サキちゃんは今まだ主の命令で顕現しないといけないんだよ!!」
「他の子らがやればよいであろう。娘子は借りていくぞ」
「だめ、お姉ちゃんは今日は俺達のだから」
獅子君が言っても何も聞かない小烏丸様だったが、蛍ちゃんが凄むと少しだけ離れた
『あ、あの!小烏丸様も一緒に顕現しましょう!』
「おぉ、それは良いな。共に勤しめば事も早く済む。その後でこの本丸の案内を頼むぞ娘子」
『は…はい』
このお父上様はなんとも自由なお方らしいとこの時に思いました。
気を取り直して再び人型の紙を手に今度は2つ並んでいる刀にそっと置いた。
そこから顕現された2振りは小烏丸様とは違いとてもカッコよかった
「ソハヤノツルキ ウツスナリ……。坂上宝剣の写しだ。よろしく頼むぜ…って、おっ?」
「…天下五剣が一振り。大典太光世だ。あんた、俺を封印しなくていい…の」
現れた2人は、目の前にいたあたしを見て唖然としていた
そりゃ目の前に女がいたらびっくりするよね・・・
『あ…あの、あたしは桜華切冴姫です。一応刀剣です』
「あぁ、主じゃねえのか。そうかそうか、でもお前可愛いな!」
『ワワッ!ちょ…』
2振りの内の1人があたしの頭をわしゃわしゃと撫でまわした
でもあたしは、その人じゃなくてもう1人の方が気になっていた
「…なんだ?」
『いや…かっこいいなって…』
思わずそんな風に言ってしまったから、周りのみんなは騒然としてしまった。俺達ですらかっこいいって言われたことがないのに!!って