第9章 初遠征
「髪結い紐が曲がっております。少し失礼いたします」
蜻蛉切さんが触れたのは、あたしの髪だった
あたしは可愛い桜の飾りのついた髪結い紐で髪の毛を一つ縛り・・・現代でいうポニーテールに縛っていた
髪結い紐を丁寧にほどき、手慣れた手つきで蜻蛉切さんはそれを直していく。
「…よし、これでより美しくなられましたぞ」
あたしの髪から手を離した蜻蛉切さんがそう言うからあたしは窓の方を見ると鏡のようにあたしの姿を映した
蜻蛉切さんは、髪結い紐を使ってポニーテールを可愛いお団子頭にしてくれた
『わ…蜻蛉切さんすごいです…』
「これしき容易いので…。それにこちらの方がより可愛らしいので冴姫殿に合うかと…」
「おぉ~蜻蛉切なかなかやるじゃねえか」
「さては蜻蛉切…お前も冴姫ちゃんを…!?」
「なっ!?お…俺は別に…」
と、蜻蛉切さんは顔を真っ赤にして御手杵さんを見た
あたしはそんな様子をきっと間抜けな顔で見ていたのだろう
「お姉ちゃん?」と蛍ちゃんの呼びかけでようやく意識が戻ってきた
『えっ!?何、どうしたの?』
「うーんと…」
「あっ!!いたいた、冴姫ちゃん!!」
蛍ちゃんと話をしたいたとき、誰かが近づいてきた
『獅子君?どーしたの?』
「主命令でな、ちょっと手伝ってくれないか?」
と、何枚か紙を持っている獅子君と障子の影に隠れている山姥切さんがいた