第8章 愛情と劣情
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『いやだ!!離してください!!』
五虎君の姿が見えなくなってどんどん本丸の奥に連れて行かれる
そこであたしはようやくこの蜻蛉切は、あたしの知るような優しい蜻蛉切じゃないと気がついた・・・
「申し訳ないが、それは聞けません。」
『離してったら!!』
自身の刀を持ってないあたしは、髪にかかっていたかんざしを蜻蛉切に向けた。でも、彼はそれを分かっていたかのようにその手を受け止めた
「すみません、こうしろという主の命令ですので」
『やっ…』
「おぉ、来た来た。遅ぇぞ蜻蛉切」
彼が向かっていた先の部屋から出てきたのは、日本号さん・・・いや、日本号だった
「おぉ、そいつが相手の本丸の刀剣女子?ホントにかわいいな」
一緒に出てきたのは御手杵だった
いよいよやばい気配を感じてきたあたしは蜻蛉切の手を振り解こうとした
「おいおい逃がすなよ、こっからが本番だからだ」
と、日本号がさらにあたしの手を掴んでくる
そのまま彼らのいた部屋に引き入れられた
そこには、あらかじめ用意されていたであろう布団があった
そこに投げ捨てられたあたしの上に、日本号が跨ってきた
『やっ…やだ!!』
「おいおい暴れんじゃねえよ、うちの主が可愛がってやれって言ってんだからよ」
『やだやだ!!』
「だから、暴れんなって!!」
日本号の下であまりに暴れるものだから、日本号があたしの着ていた白無垢を強引に剥いだ
すべて剥がされてしまったあたしの体が露になると、三名槍の2人が声を上げた