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【HQ】今宵一緒に呑みません?

第4章 【菅原】失敗した日


カラン
家に着くとダウンライトにした部屋で名が1人先に飲んでいた。
「あ、お帰りー」
その様子に何かあるなと思い
「ただいま!てか先に始めてるし!」
といつもと変わらずのテンションで返答する。
「ごめんごめん」
名に手にしていたグラスを持ち上げて軽く謝られ
「お米はたべますかー?」
と着替えるために寝室に行けば居間から聞こえてくる質問。それに2つ返事をすると、バタンと電子レンジの戸を閉めたり、食器の音が聞こえてくる。
ダウンライトで目立たないが、頬は酔いに染まっているだろう。
恐らく今日、何かあってその延長からだろう。
(ホント弱っちいんだからー)
高校生時代の旭みたいだ。まぁ、旭は勝負には強いけど。ガラスハートで支えてやらないとと言う変な使命感に名もかられてしまう。
着替えを終えて居間に行けば
「お疲れ」
とダウンライトは明るくなっており、食卓には食事が支度されていた。
「いただきます!」
「はい、どーぞ!」
向かいでグラス片手に微笑む名は少し色っぽくみえ、窓辺の横にあるダイニングテーブルのせいなのか、名は外を眺めながら晩酌を進める。
(ぜっっったい何かある!!!)
ちらっと再度見れば変わらず外を眺めている名
(聞きたい!!!!!!!)
聞きたい!!!が!!!!
(ま、まだ聞けねぇぇ)
一緒に暮らしてみて分かった事。聞いて欲しいときは自分から話す。
聞いてほしくない時は隠しとおす。
聞いてほしいが自分から話せないときは
(こーなる!この聞いてください100%感!!)
あーめんどくさい!面倒くさいのに構ってあげたくなる衝動はあれだ!愛ってやつだ!
うんうんと頷く菅原に
「どうしたの?」
「いや!名への愛の深さを実感してる」
「何それ」
と、笑われ
「で、今日はどうしたんですか!」
「今日はどうしたんでしょうねぇー」
へへへーと笑う名
(さらにめんどくさい!!)
「今めんどくさいと思ったでしょ!」
「そりゃあもう!何年のお付き合いだと思ってるんだよ。いい加減にしてほしーわー」
「むしろ慣れて欲しいわー」
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