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【HQ】今宵一緒に呑みません?

第8章 【菅原】待った者同士


「えぇっ、矛先俺かよ」
と呑気に笑う旭もなかなかに酔っているんだろう。
「はいはい、お前は水飲め。な?」
と水とジョッキを交換すれば
「スガァ」
と抱きついてくる素振りを見せてくるので、よけると名はそのまま寝こけてしまった。
「うわ、寝たよ」
「名限界か?吐くか?大丈夫か?」
「いや大丈夫っしょ。つかお前の方が心配だわ」
一体どうして人は酒に飲まれてしまうのか。そんなになるまで飲まなきゃいいのにと常々思うが名がマシなのは店ではやらかさない事。寝るのも俺達が居る時だけ、ここ以外では全く飲まないそうだ。
「なんだ名落ちたのか」
とそんな時、女子バレに囲まれる道宮を置いて大地がやってきた。
「今日は早かったなぁ」
「もー、分かってるだろうから言わないけど大地のせいだかんな!」
「それもう言ってる様なもんだスガ」
そう言う東峰の横で清水が頷く。
「ごめんな」
と名を撫でる大地を見て、ずるい。の一言が脳裏を過り
「ずるい男だなぁ」
と酒を片手に躊躇うことなく言ってしまう。
「声に出てるぞスガー」
そういう旭に
「だって毎度毎度面倒くさいんだぞ!これ!この!コレ!!」
と名を指せば
「スガ担当だもんなー」
と笑われる。
「俺だって清水と二次会したいのに!」
「え?そうなの?」
「え!?そんな反応?!」
名の面倒は同じ方向の俺担当。毎回飲み会が終わる頃には旭は酔いが冷め、酒豪の清水の連れとなる。
「つーか女子なら清水が相手してよ!」
「嫌です。」
「そんなあっさり!?」
相変わらず清水には頭が上がらない男バレ組。
「名と同じ方向なんだから効率的でしょ」
「効率とかの問題かよー」
全く嫌になってしまうのは、名の大地への気持ちを知るからこそ今日はと思ってしまう自分。
「結じゃーね!」
「大地おめでとうなー」
と飲み会終わり、店前で挨拶をかわすメンバーと
「じゃーねー!!」
と大地と道宮に抱きついて挨拶をかわす酔っぱらい1名。
「おら帰んぞ」
「スガァ」
「はいこっちだぞー」
手を引いてよたよた歩きの名を連れていく。こんな雪国で酔っぱらいを放ったら明日のニュースになってしまう。
しんしんと降り積もる雪のせいで静かな町。
その後ろで交ざるぐずついた音。
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