第5章 【菅原】オタ恋まがい??
そう言って名の視線がカレンダーの締め切りと今日の間にある張り付けてあるチケットに移る。まぁ、その映画もほとんど名の趣味で好きな声優さんが吹き替えをしてるとかで行く予定ではあるのだけれど
「がんばれ」
と机に置いた缶を回収する。
「考支が飲むの?!」
「え?じゃあ名が飲むの?飲んでいいの?終わるの???」
そう言えばあっけにとられる名につい笑えてしまい
「俺先に寝るから、ぎりぎりまで頑張れ」
と言えば
「いつもは寝なよっていうのに珍しいね」
と笑われる。
君が俺との時間を大切にしてくれているのが分かっているから、大人になっているのも分かっているから、君が一緒に居たいと思ってくれているのが分かるからこそ、俺も君のしたい事を応援できるし、君を好きだと思える。
「俺も社会人になって長いから!色々丸くなったんだよ」
「良いんだか悪いんだかわかんないなー」
そう笑う君。社会人になったらこの活動はどうするのかとか、研究室の事とか、就活の事ととか色々つっこみたいけどそれはまだ我慢かなと思っている。社会に出て好きな事を精一杯できるのは今のうちだと分かった。だから、好きな事なら応援する。しかも君が歩み寄ってくれているなら尚のこと。
「頑張って」
「ありがとう」
そう言ってずっと隣に居れるような君が好きでよかったと思うんだ。