第5章 【菅原】オタ恋まがい??
(まぁ、こんなにイベント?があると思ってなかったけどね)
と言うかいっそ漫画家にでもなれば良いのにと思うその熱量に関心する。
(しかし、あれか。さすがに成長したんだなぁ)
予定を組んで、締め切りとデートを両立してくれている。
『別れてください』
今思うとそういう時期だったのだろう、誘っても誘っても断れられるデートのお誘いが続いた時、名からそう言われた。なぜかと問い詰めればそういう事で
「それなら、二人で一緒に居れる時間をとれるに様に一緒に考えよう!」
と若かれし頃の自分はそう言って、イベントの時期がわかるとその日までにデートは何回しようと決めたり、家に行く変わりに自分は放っておいて良い等お互いの決まり事を考えた。まぁ、当初はすぐに改善されず
「言ったじゃん!!」
「無理です!!!!!!」
と口論にもなったが、名も来年は就職活動が待っている。
(大人になったなぁ)
としみじみしてしまう。相変わらず何の漫画のキャラなのか等かは分からないし、名が書いている漫画の内容も気になるけれど、その手の内容だった時に受け入れられる自分はまだ居ないなと思いつつも、まぁ内容はだいたい分かっているので時間の問題だと思っている。
カタカタ カタカタ
名の後ろ姿を見ながら
「それいつまでなんだよー!」
「む、無理だよ!」
「せっかく今日は早く帰ってきたのになー」
「む、無理だよ考支」
無理―と嘆く名を可愛いと思えるようになったのは、最初からだったなぁと思いながら
プシュ
と二本目の缶をあけ一口もらってから名の作業机の上に置く
「うわー飲んじゃう!飲んじゃうから!飲んだらダメだから!!」
名がお酒が弱いのなんて百も承知
「ここで飲んだら締め切り間に合わないぞー」
「そうやって楽しむの本当にむかつくーーーー!!!!!!!」
時たま出るタメ口。先輩後輩だった関係がもっと近い存在になった証だと思っている。
「明日映画なの覚えてる?」
「覚えてる!」