第4章 【菅原】失敗した日
テンション低めの甘えてくる返事に相当引きずってるなと思いながら、けれども
『やりたい』
と言って入った会社であり職種であることを知っているので、あえて辞めて良いよは言わない。金銭面的に辞めたとしても他の所でもちろん働いていて欲しいが、辞めるか頑張るかは本人次第だと思うので出来ればそれだけは言わないつもりでいる。けれども散々になりだして元気も具合も悪くなってきた時、自分はやめて良いよと言えるだろうか。
そう思いながら相変わらず机につっぷす名を見て
「ホラ、明日休みだしとことん付き合うからまずは一杯!」
「うーん」
構えばすぐ元気を取り戻す名を見て
(まだまだ行けるな)
と安心する菅原。誰しも失敗はあって、失敗しないようにとった策も失敗する事だってある。その策を活用して改善して、失敗しないようにと心がける気合いがあればなんとかやって行けるはず。
自分達も言い合える仲になった様に、変わって行けるものは恐らくミスをなくすなんてもんじゃなく、もっと大きな変化があるはずで、その変化のための努力をしていればいつか何かしら手に入るはずだ。
もう十分大人な年齢になった。
しっかりと、二人でこのまま頑張って行きたい。
そう思っている菅原とは反面に、愚痴を言いだす名を見て
「ま、長い目で行こうな」
と笑えてしまった菅原であった。