第2章 3回目のデート
**「落ち着くところって言うから、映画館とかかなって・・・」
坂本「俺んちだよ。」
宅飲みほど気楽なもんはないっしょって笑ってる。どうしよう・・・。
平日だからか車もさほど混んでなくて、あっという間に坂本さんのマンションに着いてしまった。
**「あの、坂本さん、やっぱり・・・喫茶店とかにしませんか・・?」
坂本「降りて。」
声は優しかったけど、断っちゃいけない感じがした。
エントランスに着くと、ちょっとここで待っててと言われる。
そわそわしながら待ってると
坂本「おいで。」
”おいで”なんて優しい言葉で呼ばれるのは幼い頃以来で、ドキドキしながら坂本さんが開けて待ってくれているエレベータに乗り込んだ。
程なくしてエレベータが止まる。
坂本さんは結構早いスピードで歩いていくから、小走りで着いて行った。部屋の前でキーを取り出し、玄関に招いてくれた。
”これ、**ちゃんの為に買ったんだ”そう言われて玄関で差し出されたスリッパは可愛いパンダのルームシューズで坂本さんがそれを買ってる姿を想像して思わず笑ってしまった。
部屋に入るとまず目に飛び込んできたのは、ピッカピカのキッチンだった。坂本さんが料理が得意なのは流石の私も知っていて、つい色んな調理器具に見入ってると
坂本「こっち。てか見過ぎ(笑)」
そう言われてリビングに誘導される。ソファに座ったら急に緊張してきた。
坂本さんは自分のビールと、私のチューハイを机に置いて、冷蔵庫から適当なおつまみを出すと私の隣に腰掛けた。