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君と並んで歩く未来

第6章 無法地帯


そんなほのぼのとしたやり取りもある少女の声でかき消される
「あーーー伊武崎が朝比奈さんと仲良くなってるーーーー!!」
そう言って吉野は二人を指さす。かなりの音量で叫んだため必然的に周りの視線が二人に集まる
「もー!私だってまだ朝比奈さんと話してないのにッ!」
「知らねーよ」
「私の名前は吉野悠姫!よろしくねー朝比奈さん!」
「無視かよ」
まんまと彼女のペースに飲み込まれる伊武崎。話しかけられている瀬凪といえば目をぱちくりと瞬かせている
「…あ、えっと朝比奈瀬凪です。よろしくお願いします」
その言葉に今度は吉野が目を瞬かせる
「同い年なんだし敬語なんていらないよー!あっ!瀬凪って呼んでいい?」
「あ、はい。かまいません。それと敬語は癖というか…」
「そうなのー?まあー少しづつでいいよ!」
「はい。努力します」
そんな会話をしている間伊武崎といえば男性陣に絡まれていた
「おい、何抜け駆けしてんだよー!」
「抜け駆けってなんだよ」
「あの瀬凪さんだぜ?いやあー近くで見るとますます綺麗だよなあ~」
デレデレと瀬凪を見る男性陣に創馬は顔を顰める。彼が声を掛けようとしたら
「やめてやれよ。ジロジロ見られるの好きじゃないタイプだろあいつ」
その前に伊武崎が周りを咎めた。それに創馬は上げかけていた腰をピタリと止めた。周りは伊武崎を珍しそうに見ている
「お前…そんな事言うタイプだっけ…?」
その言葉に気まずそうに顔を反らして
「別にいいだろ。つか誰でもジロジロ見られるのは嫌なもんだろ」
創馬はその様子をジッと見つめていた


一方瀬凪のほうは吉野に加えて榊と田所の女子勢で会話に花を咲かせていた
「瀬凪ってホントきれいだよね~」
吉野はそう言って瀬凪の顔に自身の顔を近づけてより近くでじっくりと彼女の顔を見る
「ちょっと、悠姫。顔近すぎ。瀬凪困ってるじゃない」
もう既に名前呼びをする榊。榊は顔をいきなり近づけられて対応に困っている瀬凪に助け舟を出す様に吉野を咎める
「え~でも涼子も思うでしょ~?てか肌白っ!」
榊に問いかけながらも瀬凪の顔を見続けていた彼女は瀬凪の肌の白さに驚く。その様子を田所は苦笑い気味で見ていた
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