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君と並んで歩く未来

第5章 極星のマリア


歩くこと数時間、やっとの思いで極星寮についた。そして二人はそのおどろおどろしい寮の外観にビビっていた。中に入ってみると静まり返っており。二人は数時間前の話を思い出していた

「…どうかしたかの」
「長谷川さん!極星寮ってご存知ないですか?」
二人が建物を出ようとしたときに丁度奥から出てきた恐らく用務員の中でも古株の存在であるだろうご老人。ご老人、長谷川はどこか遠くを見るような目で説明し始めた
「かつてそこは瀟洒な洋館じゃった…」
「寮として解放され多くの生徒で賑わっていたが時の流れと共に入寮者は減ってゆき、今では『極星の鬼婆』と呼ばれる寮母率いる変わり者の巣窟と成り果てたのじゃ…!」
するといきなり階段の上から煙が上がった
「なんだっ?煙が…まさか火事!?」
するといきなり恐らくスピーカーであろう金属のそれから大音量で声が聞こえてくる
《コラァ208号室!また勝手に空き部屋を燻製室に改造したね!?アンタをスモークチップで燻してやろうか!!》
すると今度は多くの禽獣達が二人の前を横切る
《禽獣を部屋で飼うんじゃないよ116号室!!次やったらお前の全身の皮を剥いでやるからね!!》
それに驚き呆然とする創馬と、相も変わらず無表情の瀬凪。そんな二人の後ろからは先程スピーカーから聞こえてきた声の持ち主が声をかける
「入寮希望の編入生、幸平創馬と朝比奈瀬凪だね…?」
その声に振り向くと
「私がここの寮母だ…『極星のマリア』ふみ緒さんと、そう呼びな」
その笑顔はとてもマリアのように優しげなものではない。そして創馬は心の中で盛大に叫んだ。またおかしなトコに来ちまったー!!と。そしてそれを察した瀬凪は表情を変えずこう思っていた。あんたもそう変わんないのではないか、と
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