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君と並んで歩く未来

第3章 魔王、『玉』を語る


仙左衛門の式辞が終わり生徒たちが興奮で身を震わせる。そんな中司会の言葉が続く
「えー最後に高等部から編入する生徒を2名紹介します」
その言葉に役目を終え舞台裏で待機していたえりなが反応する。そして自身が落とした二人の料理人たちを思い返す。しかし目を閉じて考えを改める。ここに彼らがいるわけない。なぜなら彼らは先程も言ったように
「やー…なんか高い所からすみませんねーへへ…」
えりな自身が
「所信表明でしたっけ?まいったなーやんなきゃだめですかー?壇上でとかこそばゆいっすわー」
「いいからさっさとしなさいっ」
確実に
「じゃー手短に二言三言だけ…」
落とした
「えっと…幸平創馬っていいます。この学園のことは正直__踏み台としか思ってないです」
…はずだった
「思いがけず編入することになったんすけど客の前に立ったこともない連中に負けるつもりは無いっす」
彼は上に人差し指を向けて
「てっぺん獲るんで」
そのまま壇上から降りようとするが思い出したのか隣の少女に声をかける
「瀬凪はなんか言うことあるか?」
声をかけられた美しい少女は彼の先程の大胆不敵な発言にも顔色一つ変えずたった一言
「別に」
そして二人は改めて壇上を降りる。途中で言い忘れたことを思い出したのか
「3年間よろしくお願いしまーす」
と言って頭を下げる。瀬凪も一応控えめではあったがペコリと頭を下げる。だが先程の大胆不敵な発言が消えるわけも退く
「テメエェェこらあ!!」
「ぶっ殺すぞ編入生ェ!!」
彼らに向かって物が投げられる。だが創馬は図太い神経の持ち主だ。その程度では動じない。もしかしたら自分が言った言葉の重大性に気づいていないかもしれない。彼の隣にいる瀬凪は暴動を起こす生徒たちを横目に静かに創馬についていくのであった。しかし途中で聞き逃せない言葉が耳に届いた
「何女の子侍らせてるんだっ!この最低野郎ー!!」
その言葉に瀬凪が歩みを止めた。その後くるりと踵を返して先程の壇上まで戻った。いきなりの行動に暴動を起こしていた生徒たちは創馬から瀬凪へと視線を移動させる
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