第29章 大切な心
ケイト「ちゃんと、あの人を止めれたかな?」
フィン「ああ。止めれたよ」なでなで←頭を撫でる
ケイト「…そっか…よかった」微笑&安堵の表情
フィン「生きてたなら、そう言ってくれ。
死のうかと死ぬほど悩んだじゃないかっ」ぎゅうっ
ケイト「ん…
ごめん、ね。まだ…死後硬直が解けてなくって…体、思うように動かせなくって…」
ロキ「恩恵が蘇った…ケイトたぁーん!!」←跳び付こうと駆け寄ろうとする
がしっ!!←リヴェリアが止める
ロキ「離せ!離すんやリヴェリア!
今ここで抱き倒さないでいつ抱き倒すんやー!!」
リヴェリア「嘆息)気持ちはわかる。
だが目の前の光景を見てみろ」
ぼろぼろ涙を溢しながら体を抱き上げて唇を重ね合っていた。
奪うように何度も何度も求め、深く口付けを続けていた。
リヴェリア「夫婦がああやって互いを深く求め合っているんだ。
あの中に入って邪魔をするのは野暮というものだろう。
水を差してやるな。夫婦水入らず、二人きりにしてやってくれ」
ずるずる
ぎゃーぎゃー!
リヴェリア達退場後、お姫様だっこで横抱きにされた。
左腕を私の背に通して左手は左肩に、右腕を両足の下に通して右手を左膝にかけて。
気付けば寝ていたようで、目を覚ました時にはホームのベッドの上にいた。
目を覚ましてから数時間経った後らしい。
既に7時を当に過ぎていて、アルもディもホームにはいなかった。
ケイト「あの、ね…あの魔法は人を仮死状態にする魔法なんだ。
詠唱の長さで調節できて、一文ごとに一日仮死状態にする。
必中の死の魔法だ。
詠唱が完成する。あるいは途中まででも、その長さ分仮死状態に陥らされるんだ。
それがわかったのは、血を流し続けたり肺は動かせなくても直接酸素を送ったりし続けることで蘇生できたからだ」
フィン「なるほど。あの魔法はそういう効果が…」
魔法について伝えると、フィンは顎に手を当て考え込んだ。
どたどたどたどた
その最中、耳慣れた駆け付ける足音が慌ただしく近付いてくるのを感じた。