第29章 大切な心
アル「お母さん直伝!風月流究極秘奥義!!
フル・バースト、キャノーン!!!!」
周囲の魔力まで巻き込んだその一撃は…鍛練場を丸ごと吹き飛ばした。
無論、ケイトが後で直したわけだが
ドラゴン・ソウルまで覚醒させた『強大な魔力』はアルの意思通り、魔術師を傷付けずに気絶させた。
先程まで集中し切れていなかったのは、ケイトの会話も聞きつつ理解しようとしていたのもあったんだと思う。
あくまで僕の個人的見解だけどね。
アル「帰ってこないのはわかってる。
わかってるんだ、本当は。
こっちで蘇らせたって一度起こったことは変わんないって、わかってるんだ!
でも…それでも…死んで欲しくなんかなかったんだ。
お母さんが…生きて、傍に…大好きだって…愛してるって!
なのに…どこにもいなくって!!
どこ探しても、いなくって!!!
どこ探してもいないんだ。
どんなに叫んでも、望んだ人の声は決して返ってこないんだ。
お母さんの言葉の意味が…やっとわかった。わかったのに!
わかったよって、伝えたいのにっ!!」
ぼろぼろ
言葉を詰まらせた数瞬の後、滂沱の涙がアルの目から零れ落ちていく。
アル「ごめん…ごめん、お母さん」ぎゅっ←ケイトにしがみ付く
フィン「イラァッ!!)^^」ぶちっ!!
ディ「お父さん押さえて!;」ヒシッ!←フィンに抱き付く
アル「僕のこと知ってないのはわかってるっ;;
でも…それでも…また、ここに来ていいかな?
お母さんの死を、受け入れられるように、なるまで!
付き合ってもらっても、いいかな?」ぐすっ
ケイト「うん。いいよ(微笑」なでなで
アル「お母さあああああん!!」ぎゅむぅー!!
死んだ者は帰ってこない。
それは、誰もが経験する痛み…生きている時点で、避けられないこと。
アルが乗り越える為というのもわかる…わかっている!!
だが…(ぎりりっ!!)←歯を食いしばるフィン
この荒れ狂う嫉妬をどこにぶつければいい?←どこかおどろおどろしいどす黒く低い声
テロップ『フィンは嫉妬で真っ黒になった!』
ディ「誰か!止めるの手伝ってええええ!!;」半泣