第29章 大切な心
ケイト「私と、皆とでは…在ろうとする形が違うから。
私にできるのは、違う人達の中でどう学んで、どう生かして、どう糧にするかだけなんだ。
憎んだ所で相手は変わらない。
相手を変える方が自分を変えるよりも遥かに難しいし、変わらない可能性の方が極めて高い。
気力も考えるそれも無駄。合わせようといくら何かした所で無駄なんだよ。
わざわざ本質も見極めようともしないで、気付かない振りを続けるんだからさ。
私だったら、いくら何でも気付くよ。ああ、傷付けたくないからなんだなって…
でも、あいつらは気付こうともしないまま周囲に悪人だって訴えかけ続けた。そして鵜呑みにした。
関わり合いになるまいと距離を取って自分を守ろうとする人達ばかりだった。
結局は…正義という名の免罪符を振りかざして傷付けることを正当化したいだけなんだよ。
いくら弁論を語った所で、聞き入れない人達だった。
自分とは相容れない。全く別の存在だと考えて、ようやく収まりが付いた。
というよりは…ストンって、腑に落ちたんだ。
どうあっても、その在り方が受け入れられない。それと同じなのかってさ」
フィン「…そうか(微笑)
君はもう、大人を通り越してしまったのかもしれないね」
ケイト「へ?;」
ディ「理解できたら大人?」
フィン「そうだね」
ディ「頑張って理解する!できるようになる!」ぐっ!&ふんすっ!←サムズアップ
フィン「ははっ^^期待してるよ」なでなで←頭を撫でる
ケイト「…にしても苦戦してるね」
フィン「ああ。気配や魔力の察知で反応はできている。
ただ…全力を出せていない。いや、集中し切れていない」
ケイト「しょうがないなー。
アルー!」
アル「!」くるっ
ケイト「魔導士さんに質問!私を殺すつもりだったー!?」
『!!?;』ぎょっ!←ケイトを注視
「ああ。そうだ」
アル「!!」ぶちっ!!
ケイト「お。来た来た♪」にやにや
フィン「君は…計算高くもなってしまったんだね;」遠い目
ケイト「むっ。戦術と言って欲しいな」
フィン「…うん、そうだね。発破か」嘆息&腕組
成長という名の変化に、僅かに狼狽しながらも僕は苦笑と共に溜息を零した。
ケイトの目論見は見事に当たってか
アルの周囲にとてつもない魔力が迸り、大きな奔流と化して『龍』として顕現した――