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Unlimited【ダンまち】

第29章 大切な心





ディ「じゃあ…どうすればいいの?」

ケイト「自分の心に耳を傾けろ」

ディ「???」


ケイト「自らの正義も、よしとする範囲も、他の人とは違う。

違って当たり前なんだ。
性格も違う、育った環境も違う、両親だって違う、見方も考え方も違う。

だから…人のそれを見て、学んで、自分がどうしたいかを見つめないといけない。
自分の在りたい形が何なのか、自分という在り方とは何かを理解しないと軸がはっきりしない」

ディ「ああ!自分という軸を持つ?」

ケイト「頷)うん…

いずれ一人で何でもできなきゃいけない。

でも…何でもできる完璧な人なんて、この世にはいない。
その為に他の人達がいる。

補い合う為に、気付き合う為に、互いに抱くそれから学ぶ為に違った人がいる。


違うから、自分とは合わないから…それで傷付けたら傷付け返されるのが世間一般の反応だ。
だが、極稀に相手の痛みを考えて踏み止まる人だっている。

合っている人、合っていない人、やってはいけないこと、やっていいこと、それらの線引きはしておいた方がいい」

ディ「うーん。難しい;」

フィン「流石に5歳にそれは難しいと思うよ?^^;」

ケイト「せめて、知識として覚えておいて欲しいんだ。私が」微笑

ディ「わかった!覚えておく!」こっくり


ケイト「…人はいつか死ぬ。
人が人である限り、死の訪れない人などいない。

私は…護れなかった。強くなろうとした。強くなった。
それでも…いない時に来られて、護れなかった。

要は、そのこととどう向き合うかだ。
過去は変えられない。


悪と見られたくない人がいるなら、相手のそれを尋ねて、聞いて、理解して…
自分のそれを伝えて、話し合って、互いに折り合いの付く形を見つけるしかないんだ。

しんどいからって理由で離れられる可能性もあるわけだけれど…ただ押し付ける人よりはマシだと、私は思うよ」

フィン「ふふっ…^^」

ケイト「?どうしたの?」

フィン「いや…ついこの間に反抗期を迎えたかと思えば、もう乗り越えて…
もう少し、怒りのやり場に荒れてぶつけ回るかと思ってたよ。

いつ考えたんだい?」

ケイト「ずっと考えてたよ。

憎しみに飲まれそうになる度、何度も考えてた。


でも…どれだけ折り合いをつけようとしたって、無駄だったんだ」

フィン「…と言うと?」


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