第29章 大切な心
フィン「決闘の前に場所を提示させてもらおうか。
門からすぐ近くにある鍛練場で頼むよ。
もし負ければ…わかっているだろうね?」
「…二言はない。今更逃げれるとは思えん。
退路を塞いでいる貴様が何を言う?」
フィン「さあ?何のことかな?」微笑←知らん振り&素知らぬ顔
ケイト(いけしゃあしゃあと…包囲網の完成を急がせたのはどこのどいつだか…;)じとー←フィンを凝視してる
フィン「何か?^^」にっこり
ケイト「いや、何でも(きっぱり)
(敵には回したくないなあ…;」
「…【英雄】よ、貴様も言ったことは守れよ?」
ケイト「わかってる。
さっきも言ったように、アルを倒せばやろうとしていたことは見逃そう。
倒せればね?」にやり
(それだけの実力者と言う訳か…)
そう考え込む魔術師に、僕とケイトは笑った。
考えれば考えるほど、迷えば迷うほど隙はできる。
予め相手の情報を知っているか知っていないかでは、次の動きに天と地ほどに差が出る。
しかし…わざわざ反射する方向先が天へ向かうよう地面へ投げ付けるなんて、相変わらず狂った制御(コントロール)だ。
考え込んでいる間に、魔術師とアルは位置に着いた。
ケイト「アル、一言だけ伝えておく」
アル「?」
ケイト「過去は過去だ。あとは自分で考えろ」
アルに一言言った後、ケイトは踵を返して距離を取った。
それを聞いた時、僕は言おうとしていることを悟った。
けどそれは同時に…いつまでも帰ってこない人の死を認めることだ。
フィン「…少し言葉が過ぎないかい?たった5歳の子に」溜息
ケイト「あの歳は確かに感情に振り回されがちだ。
でも、考える頭ぐらい有しているはずだ。
理不尽に対して怒るのは極めて簡単だ。そこからどう在ろうとするか、どこまでを糧にするかが重要だ。
私も言えたことじゃないかもだけどね…;怒りでキレて;」しみじみ嘆息
フィン「そうだね」
ケイト「うぐっ;」
フィン「でも…言わんとすることはわかるよ」なで
ケイトの髪を右手ですくように撫でる中、僕は微笑みかけた。
死とどう向き合うか…その分岐点に、アルとディはいる。
さて、どう成長するか…見ものだね。