第28章 子達の来訪
ケイトの反応を見て、リヴェリアは口を閉ざし言い淀んだ。
口元をぎゅっと噛み締め、涙を潤ませているのを見てのことだ。
ケイト「もし…もしも、普通だったら……」ぽとっ←涙が床に落ちる
リヴェリア「気に障ったのなら済まない…
お前が悪いわけではないのだと言いたかった。
必要以上に自分を責めて、自らを傷付けて安心するそれを…少しでも和らげたかった。
もし…仮にだが、私がそのように自身の頭を殴って安心するなどと行動に示せばどうする?」
ケイト「絶対嫌だ!!嫌だよ、そんなの!」
リヴェリア「ああ(微笑)
それを自分にも向けてやって欲しい(なでなで)
あのような間違った認識を、周囲から長年に渡って植え付けられてきただろう。
だが…お前は悪くない。何も引け目も負い目も感じる必要はないんだ。
第一、合わない人とは距離を取るに限る。だと言うのに、あの者達は選択を間違えた。
わざわざ自ら関わり、お前一人がおかしいなどと宣い、こうなるまでに追い詰め、苦しめ続けた。
元々違うのに無理やり合わさせようとすること自体、土台無理な話だ。
人によって環境が違うことで自らの抱く考え方もまた異なる。
それと共に重きを置く点もまた違う。各々が思う正義が違うのだからな。
根本的に違うというのに、無理やり形を合わそうとすれば軋轢を生じ、傷を生む。
それも、お前のような優しい繊細な心を持つ者には余計に。
だから…お前一人がおかしいなどということはない。
一人一人違って当たり前なんだ。だからこそ…一人一人が掛け替えのないものだ。
だから…自分もまた、私達と同じぐらい大事に想ってやれ。
お前が傷付くのは、私も辛い」
ケイト「!」
リヴェリア「お前の抱いたはずだった、その感情も…大事にして然るべきものだ。
傷付けるかもしれないと、恐れる必要はない。
もし間違えば止める…だから…」
ケイト「…っ;;」ぽろぽろ
俯いたまま、泣きじゃくる最中…
リヴェリアはそのケイトの前に跪き、覗き込みながら微笑みかけ、頭を優しく撫でた。
リヴェリア「安心して、その感情に身を任せていいんだ。
無理に殺して、蔑ろにする必要はない。わかるな?」なでなで
ケイト「頷)ぐすっ…逆、されたら、やだっ;」
リヴェリア「ああ…
だから、もっと自信を持て。
お前は…優しい人間だ」なでなで