• テキストサイズ

Unlimited【ダンまち】

第28章 子達の来訪





今後、同じような行いをする人間が増えないよう祈るばかりだった。

ついでに言うと、死刑執行の件についてはロキ・ファミリアの中でもケイト以外にしか言っていない。


刑を速めたのは他でもない、死刑囚が自ら起こした行いだ。

ケイトが自分から関わった時、傷付ける言葉を吐き掛けない時点で、本人の性格など分かり切っているだろうに…
人が傷付くことに対してあれほど怯える人はいないだろう。

それを踏まえてか、そういった連中に対して「愚かだな」「因果応報」という声が数多く寄せられていた。



人によって主観は違う。
育った環境に伴う価値観の相違から、何に重きを置き、悪と感じるかは違って当然。

説明もせずにわかれと強要し、自らと違えばおかしいと喚き、意見を同じくする者達だけで集まり、違う奴ははぶり皆まで抱き込み、たった一人に対して独りにした上で追い込んだ時点で罪は明白。


その十字架の建てられた場所は、後に「断罪の丘」と呼ばれることとなる。
当初…3日ほどは淀んだ空気で満たされたそうだが、その空間は後に精霊によってか元通り澄んだ空気へと戻されていた。

実を言うと…英雄譚の本に載せたことに加えて、その件についても精霊王へ直接謝る為に行こうとしたわけだが、結局は手紙で謝った上で頼むことにした。←876ページ参照
最近のケイトの情報と引き換えに。後で空間魔法からか懐に紙が送られてきて、その返事にはこう書かれていた。


「前よりも表情が明るく出るようになった。
幸せなのが目に見えて安心した。お主のことを語る度、はしゃいでおった」

ふふっ。目に浮かぶな^^(くすくす)

「英雄譚の本に載せること、及び浄化の件は結婚祝いとして受け取れ。貸し借り無しと捉えてよい。

彼女の無邪気な本質を見、差別せず、彼女のことを心から愛し、想ってくれたこと、心より感謝する。
彼女のこと、よろしく頼む」

ああ…任せてくれ。

そう二言呟いた直後、それらが紙に自然と浮かび上がってもう一枚の紙が出現して消えていった。


あの時は…ケイトの昼からの修業よりも前で、心底驚いたのを鮮明に覚えている。

まあ、今からすれば前日のことだからね。今も懐に入れたままにしているのは内緒だ…


/ 5286ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp