第28章 子達の来訪
フィン「頷)あれに割く金と時間が勿体ない。
火薬の値段も馬鹿にならないし、恩恵を受けた時点でわかるだろうが…
身体能力自体が、最早一般人とは隔絶しているんだ。
音速を超える動きに耐えうる耐久力を有している時点で、銃弾なんてものが僕達に及ぼす影響なんてたかが知れてる。
階層級ボスに関しても同じことが言えるだろう?」
ケイト「んー…数があれば
フィン「たとえ数をクリエイトで揃えた所で、それが何の役に立つ?
弓矢なら大した構造じゃないし費用もそれほどかからない。
もし銃弾を鉛玉から違う金属のそれにすれば、確かに役には立つだろう。
だが、それだけだ。
ただの鉛玉では、迷宮じゃ役には立たない。音で牽制はできてもね。
元々銃口の向きさえ気を付ければいつでも避けれる。
それは弓にも言えたことだけれど、あれを役立つレベルまで引き上げるとして…予算が……」
ケイト「そりゃえげつないことになりそう;
クリエイトで作れば元手タダなんだけどなあ…;」
フィン「厳しいことを言うようだけれど、クリエイト持ちがいなくなれば量産はその時点からできなくなる。
威力が強いことを掲げての値段なんだろうけれど、はっきり言って余計なお世話だ」
ケイト「んー…(何でそんなに不遇なんだろう?;」頭捻る
フィン「それに頼った戦い方は控えるのが賢明だ。
もし撃つ者にとっては役立つとして、本人が強くならなければそこには何の意味もない。
遠くから撃つ武器が無ければ何も出来ない冒険者など、冒険者とは呼べない。
銃を無くした時点で無残にやられる程度なら、最初から近接戦闘の技術を先に身に付け、磨き上げておくべきだ。
魔導士は強力な魔法が使える、だが近接戦闘はどうあっても避けられない。
各々技術を磨き上げて戦えるまで引き上げていく。
いいかい?
銃など愚策で邪道。
奪われて、逆に撃たれれば死ぬ武器など不要だ。
魔剣の方が安上がりだというのもあるんだけど…あれは回数が尽きれば壊れる。銃弾にも限りがある。
つまりを言うと…そういった魔剣や銃にばかり頼る癖がついては困るし、そういう輩は迷宮ではすぐに死んでいく。
それは知識として覚えておいた方がいい。
君ならわかるだろう?」
ケイト「…うん(こっくり)
ありがとう。よくわかった。
最後に頼りになるのは自分の身体だもんね」