第28章 子達の来訪
ケイト「所で聞こう聞こうと思ってたことがあるんだけども…」挙手
フィン「?何だい?」
ケイト「何で撤退したの?ミノタウロスから」
フィン「…僕の致命傷を前にしてもわからないかい?」
ケイト「…そっか。確かに…一度でも食らえば確実に致命傷だね」
フィン「ああ…それにあの爆炎の魔法もある。
恐らくリヴェリアのそれを相殺させたんだろう。
だが、完全に魔力がないかと言われればそうではなかった。
まだ魔法を使える程度に魔力を残していたのが感知できたからね。
あそこから自滅覚悟の爆発を食らえば…ひとたまりもないだろう?」
ケイト「…なるほど。
たとえ戦闘経験が少なくても…あれはきついよね;
当たりさえしなければいいけれど、当たれば死ぬ。
フィンの左背が骨ごと抉れたように…」
フィン「ああ…
そして回復薬もフレイヤ・ファミリアと僕らで使い切ってしまった。
マジック・ポーションも同様にね。
最初からケイト一人に任せればよかったんだろうけれど…
そうすれば当初の計画、一ファミリアずつ順番でという打ち合わせも意味がなくなってしまう。
正直言うと、それほどのモンスターだとは思ってもいなかった」
ケイト「異常発生(イレギュラー)モンスターってわけだね」
フィン「ああ…
あの強さは単体で言っても、三大冒険者依頼に出てくる隻眼の竜以上だろう。遜色なしにね」
ケイト「あの竜はとっても強かったけど倒したよ?」
フィン「うん。でも…君が恩恵抜きでLv.6を倒せるほど戦術に特化していたから、というのもあるのだろうね。
現に、君はLv.2の時点でそれを倒してLv.3に、また別のボスでLv.4に、街の修復と蘇生をさせてLv.5になったろう?」
ケイト「そうだね…
所で銃ってそんなに役立たないの?」
フィン「?」
ケイト「ほら、最初に見せた時の皆の反応があんまりにも希薄で…;」←879ページ参照
フィン「ああ。一発分だけでも10億ヴァリスかかるからね」
ケイト「10億ぅ!?;」
おや?
もしや…相場を知らないんじゃ?;
その時、反応から値段などの情報がわかっていないことを察した僕は、ケイトへちゃんと説明することにした。