第28章 子達の来訪
あの時のフィンの言葉が二つ、頭の中で反芻して耳を刺す。
『楽に死ねると思うなよ』←832ページ参照
『僕の『君との人生』を、『未来』を放り出そうとした罪は重い』←上記と同ページ参照
今思えば、あの言葉が切っ掛けだったのかもしれない。
先を見据えて、生きようと考えることが出来るようになった。
『死にたい、邪魔になるくらいなら…負担になるくらいならっ!』と何度も叫び続けてきた自分の心、そうなるまで追い込み続けた人達と環境…
でもそれを壊してくれたのは…他でもなく、オラリオで入った先で出会えたフィンだった。
たくさん向かい合って、たくさんのものを与えてもらったようにも感じる。
世界で一番愛しい、大切な人…
それに負けず劣らずの大切な存在、居場所となってくれた新たな家族…ロキ・ファミリア……
ここに居れて、受け入れてもらえて…本当によかったと思う。
ケイト「ふふっ^^」
そう笑みを浮かべる中、軽いノックと共に乱暴に扉が開け放たれた。
ベート「……行くぞ」
ケイト「うん!奢りだね!」キラキラ
ベート「嬉しそうに叫んでんじゃねえ!;」がうっ!
ケイト「はははっ!^^」
噛み付くかのように叫ぶベートに、私は笑った。
ベート「何笑ってやがんだ!」
イラついたような声で面白くなさそうに呟かれる中、私は答えた。
ケイト「いや、幸せ者だなあって思ってさ(くすくす)
お腹の中の子やーい、ベートみたいになっちゃダメだよー?」なでなで
ベート「ああ!!?・・」
ケイト「真似していいのは優しさまでだからねー?口調だけは真似したらダメだからねー?」
ベート「てめえおちょくってんのか!」
ケイト「いやいや、本音だよ」くすくす
ベート「けっ…別の意味でタチが悪いんだよ」ふいっ
ケイト「そう言う割には歩幅合わせてくれるくせに」くすり
ベート「あ゛!!?…うっせえ!」ずかずか
ケイト「あ!慌てたように先行ってるー!
可愛い狼がここにいるよー!!皆見てー!」
ベート「黙れ!!・・////」
口元に両手を当てて叫ぶと、振り返りながら異議を立てるように叫ばれた。
そんな何でもない日々が続くと思っていた。
今日、この時までは…
かっ!!
歩いている道中、突如として凄まじい光が何もなかった場所から生まれ、広間を埋め尽くした。