第27章 変化
精神力…それは、魔力を操作する際に要する力。
身体を操作する際に要する体力と同じ類のものだと考えていい。
あの倍強化魔法が魔力だけでなく、精神力まで倍にしたのはその為だろう。
確かそれは…リヴェリアだけでなくケイト自身、自分にも掛けていた。
つまりを言うと…今、魔法の威力を倍加させるそれまで共に掛ければ4倍になるのでは?
そこまで思考が回った頃、ケイトが口を開いて言葉を続けた。
ケイト「その前に、盛大な一撃食らわせてもいい?
有効打は私の龍人化を纏った一撃ぐらいしかない。
しかも、最も鋭く細いものじゃなきゃ刺さりもしない。
頼む。あわよくばでいい。このままじゃ収まりがつかないだろう?
少なくとも私自身が!」
フィン「…わかった。
ただし、君の「魔法の威力を倍加させる魔法」を掛けた上でだ」
ケイト「うん、わかった。
今ある魔力と精神力、全てを注ぎ込む!手加減なしでいく!!(ばっ!!)
全員ここから離れてくれ!」
両腕を両腰に構え、腰を落とす。と同時に魔法円が展開される。
かっ!(魔法円展開)
ケイト「すぅー←息を深く吸う
【龍の力よ、我が身に宿れ。周囲の一切合切全てを魔力と化し喰らい、猛威を振るえ――龍人化(ドラゴニュート)】!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!」
今までにないほどの凄まじい魔力が迸ると共に奔流となって、人以外の周囲が全て吹き飛ばされる。
ぱらぱらぱら
迷宮が震え、壁にひびが瞬く間に拡がり走っていく。
「ヴォ…ヴォオオオ(おー…(すっげえ)こいつだ)
(にや」目を細める
ケイト「でかいの…喧嘩を売ったのはてめえだ。避けんじゃねえぞ!!」
「ヴォオオオ!!」当たり前だ!受けて立ってやる!!
同じく両腕を前に交差させ、腰を落とした。
受けて立ってやる!!その意図が、誰の目にも感じさせられた。
それにケイトは笑い、再び魔法の威力を倍加する魔法を自身へかけた。