第27章 変化
フィン「…ありがとう…済まない」
ガレス「気にするでないわ。確かに惚れた女子にそう言われれば…天変地異じゃの」
フィン「…死んだ方がマシだ;はああ;」肩落とす
ガレス「まあ、いずれにせよ…普通とは思わぬ方向へ行くと思うぞ?
例えば…「そこまで想ってくれてたんだ、ありがとう^^」とな?」
フィン「あ…ああ…そうだね。確かに言いそうだ」
ガレス「ほれ、魔力を渡さんか」
フィン「…ああ…」
後日、話し合ってみた所、お礼を言われた。
が、神ヘファイストスと神ゴブニュとのオリハルコンの材料の貿易(輸入)場所としては変わらないらしい。
~アイズの場合~
アイズ「…ケイト、魔力強化は」
ケイト「大丈夫。その代替方法なら考えてあるよ」
アイズ「ん…わかった。
…凄かったよ、あの戦い」
ケイト「ありがとう^^」
その身一つで全てを切り抜ける。
本当に凄い…いつもケイトは、その身で…技術で、強敵を覆してきた。
今も、そして私を倒した時も…その身一つで、武器を用いながら……
そう考えながら、ある違和感を感じた。
違う――
『その身一つ』しか…残されていなかったのだ。
ケイトには、その身一つしか…何もなかった。
あの街では自由さえもなかった。全くと言っていいほど……
アイズは漠然と悟った。
目の前で今もなお繰り広げられる圧倒的過ぎる実力差を前にして。
その背景にあったものを、否が応でも感じさせられた。
ゼウスの後胤なんて、英雄の子孫なんて関係ない。
目の前にいる彼女は…ただ真剣に、前を見据えて器用に全てを振り払い続けていた。
どごおおおおおおおっ!!!!
ばああああああっ
アイズ(!やっぱり…)
単騎での戦いを見つめている時、土煙が上がる最中でアイズは気付いた。
私達にさえ余波を行かないよう緻密に計算して、その上で圧倒している。
後ろにいる私達が巻き込まないよう立ち位置に気を付けながら、絶妙に立ち回って適度に向きを変えて手玉に取っている。
技量が、群を抜いている。何度も死んだ上で積み上げられてきたそれは…回復させられた上で休みなく続けられるそれは…あからさまに人外の域へ到達していた。
鍛え上げられたからこそ、わかる凄さ…
それをその身に感じている中、昔のある言葉が脳裏によぎっていた。