第27章 変化
フィン「済まないが皆、リヴェリアへ魔力を渡してくれ。
リヴェリアは合図があるまで詠唱を続けて威力を高めておいてくれ。
周囲の魔力を全て使って構わない。ケイトは先に魔支配でそれを補助」
ケイト「了解」こっくり
フィン「次に第一軍はミノタウロスの足止めをするケイトの補助、主に撹乱かな。
必要に応じて攻撃と防御に専念して欲しい。
第二軍はさっきも言ったようにミノタウロスを中央にある程度の距離を取って牽制、囲ってくれ。
レア・ラーヴァテインが炸裂した時に影響を受けないようにね。
ここまでで何か質問はないか?」
その問いかけに、誰も何も言わず真っ直ぐに僕の目を見て頷いていた。
ケイト「リヴェリア、これを」
リヴェリア「!これは…」
ケイト「パイオニアの欠片だ。さっき切り分けた。いつでも戻せる。
これをあげる」
そう言いながら金属の欠片を、リヴェリアの杖(マグナ・アルヴス)の全体に薄く纏わせた。
リヴェリア「!…しかし…(狼狽)
いいのか?それはお前の両親と妹の形見で」
ケイト「言ったろ?
私にとっての家族は皆だ(きっぱり」
リヴェリア「!」
ケイト「渡すという選択肢を無視して守れず、ましてや死なせたとなれば一生顔向けできない。
これは周囲の魔力と自身の持つ魔力を常に共振させて、魔法に使える魔力を高めることができる。
魔力の伝導率も高めながら余す所なく、周囲のまで吸収しながら思い通りに動かす手伝いをしてくれるから、今回の魔法の威力を高めるのに持って来いだ。
あと杖自体も改造しよう。少し貸して」
リヴェリア「あ…ああ」すっ←杖を渡す
ケイト「杖の柄にも魔力の通り道を作って、杖の先まで分散もなく届けるように。
周囲の魔力を吸収しながら高めるよう機能を付ける(ぽおおっ)←純白の魔力を送り付けて機能を加える
ただでさえ最高位の『魔法石』(魔法の威力を限界まで高める石)が9つもあるんだ。
さらに手助けをしてくれるはずだ。よし、終わった」
リヴェリア「もうか!?;」
ケイト「任せたよ。信頼してる(微笑」すっ
リヴェリア「お前という奴は、本当に…(ふっ)
(愚かなほどに…私達を信じてくれているのだな)
助かる」
呆れたように溜息を零しつつ、笑みを浮かべながら杖を受け取った。
リヴェリア(ならば…私は、その信頼に応えよう)