第27章 変化
僅かな静寂の後、戦闘音をバックに一つの声が響く。
ケイト「いい、の?;」
フィン「ああ…」
ケイト「大事な、ものだって…思っても、いいの?」
フィン「当たり、前だ…そうでなけれ、ば…庇って、いない。
何よりも、失いたくない存在だ…それだけ、は…わす、れ」
意識が遠のいていく最中、涙声が響いた。
ケイト「忘れるわけないじゃんか(ぎゅうっ)
忘れられるわけ…ないよっ!;ぐすっ;;(ひっく)
待っ、てて(ごしごし)
…今、治すから!!」きっ!!
意識を失いそうになる僅か手前、温かい魔力が僕の身を包んだ。
全快状態になっていくのをその身に感じる中、僕は後悔した。
ああ…何故……
ギルドの人達はすぐ近くにいるのだろう…;
それも『神の鏡』を手ににやついて;
次の瞬間に頭によぎったのは、それを通してオラリオ全域に放送されているということ。
つまりを言うと…これらのやり取りが全て、オラリオに居る全員に聞かれているというわけで……
ケイト「フィン…大丈夫?;」
フィン「殺してくれっ!!!;」くぅっ!←涙目
ケイト「どうしたのフィン!!?;」ガーン!←ショック受けてる
見られていたとは思いもしなかった!
いや、正直に言おう。
ケイトのことでいっぱいいっぱいで、他の状況が頭に入ってこなかった!
引き戻す為とはいえ、自分を軽視する癖を矯正させる為とはいえっ!方法はいくらでも…ああ、あの時せめて防音結界を張っていてもらえば、いや…温かい眼を向けられているこの状況さえも耐え難いっ!;羞恥心でどうにかなりそうだっ!!/////;(両手で顔覆い)←耳や首に至るまで真っ赤っ赤
……今頃…この光景を見たロキはにやついているんだろうね、多分…
フレイヤ「きゃあああああ!!//
よくやったわ、オッタル!//
ナイスよ!//ファインプレイ!!////」キラキラ←興奮冷めやらぬ様子(黄昏の館来訪中)
ロキ「ケイトおおお!!//フィンんんん!!//;;」号泣←酒片手に観戦中
ロキ&フレイヤ『ケイフィン萌ええええええ!!!////』エコー
ケイト&フィン『!!!!』ぞっくぅっ!!
それを考えた次の瞬間、謎の悪寒が僕達を襲ったのは言うまでもない…;
後日、そのやり取りも含めた睦言一覧集が売り出された――