第27章 変化
次の瞬間、大気が震えた。
魔力の多大な奔流の前触れと共に、風が身を包んで
リヴェリア「!ケイト、落ち着
ケイト「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」
滂沱の涙と共に、悲痛な叫びが迷宮に木霊する。
天を仰ぎ、悲鳴に近い叫び声が今までにない音量で響き渡る。
僕を膝に抱き抱えた状態のまま、魔力が全身から電光の如く迸り…実体を帯びた光と化して放出されていた。
近付こうにも空気所か空間ごと押し返さんばかりのそれは止められるわけもなく
近付こうとする者は全て押し返されるばかりで…近付ける者など、一人としていなかった。
その最中…僕はと言うと……
意識が今もなお飛びそうになる中、それを必死に…辛うじて、繋ぎ止めていた。
このままでは暴走してしまう…目の前の魔力の奔流が、それを物語っていた。
だからこそ…伝えなければいけない言葉があった。
フィン「ケイ…トっ」こふっ
ケイト「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」
慟哭に近い叫びの中、必死に右手を伸ばす。
フィン「ケイトっ」ぴとっ←ケイトの左頬へと右手で触れる
ケイト「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!;;」
フィン「ケイトッ!!!」ぐいっ!!
ケイト「びくっ!!)!!」
上体を無理やり上げ、正気に引き戻そうと耳元で叫んだ。
それにケイトは身を震わせ、耳朶を震わせる声のした方(僕)へやっと目を向けた。
その最中、外に出た魔力は散り散りに粒子と化して散らばっていく。
何事もなかったかのように消え、ケイトの中へと戻っていった。
「あいつ…危険だ)ヴヴヴ…ヴオオオオオ!
がっ!!
ミノタウロスが危機感からかケイトへ襲い掛かろうとした矢先、大剣がその間に位置する地面へと投げ付けられ、突き刺さる。
「!!」
オッタル「水を差すな」
そして大剣の前に持ち主が現れ、得物を引き抜く。
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!」威嚇
オッタル「無粋な真似をしてくれるな。
ロキ・ファミリアは休んでいろ、交代だ。
ここより先は…俺が相手をする。かかってこい!!」