第26章 紅蓮の猛火
魔力もまた同様に周囲から吸収して取り込みつつ、集中させる時に通り道に値するそれまでの全身を強化した結果
身体能力が著しく向上し、スピードと力が跳ね上がったことから凄まじく威力が跳ね上がった。
それらの教えを総合して、丹田の気の溜まり場と魔力の溜まり場の両方を感じつつ周囲から気と魔力の両方を殴る拳へと取り込み
強化させながら集めていき、全身の力を拳のみに乗せ、重心は常に低くするようにした結果…
指先一つで触れるだけで25mの大岩が触れた箇所からヒビが拡がっていき、1秒もかからず塵と化した。
目に見えての変化に周囲は驚きを隠せず、俄然やる気を出していった。
それまではと言うと、以下のことをしていた。
自分の身体の可動域、力の加わりにくい方向を実践を通して自分にとって外側にあたるそれだと身を持って把握する。
と共に、構造上どうあっても防ぎ辛い場所の把握。
そして攻撃が来た場合の防ぎ方の工夫、無数の攻撃を例に挙げると共に実行され、考えさせられた。
例えば右拳または右足を用いた攻撃が来れば、自分から見て左後ろへ動きながら、左横へそっと添わしながら左から右へ流すよう防ぎつつ前へ踏み出してカウンターを炸裂させる等。
自分に合った動き方の把握もまた加えて実践と共に照合していき、動き全てを覚えさせられた。
次に各々の武器に合った動きと、自分に合った動きと照らし合わせ始め、両方に合った動きを確立させた。
それからが気の勉強。魔力の時と同様に教え込まれていった。
そして今、拳や指先のみの時にやったのと同じ要領で武器に一点集中させるようにしながら繰り出すと、えげつない威力と化した。
ステイタス、もとい身体能力に頼り切っている。
いや、頼った戦い方をしていた。
それを強く自覚できた。
アイズが「動きの一つ一つがよどみないし隙も無い。きっと、かなりの使い手のはず」(7ページ参照)と判断した理由がよくわかった。
Lv.6の身体能力を恩恵無しで退けられる、長年をかけて洗練されたそれを本当の意味で理解できたようにも感じた。
それらの気も魔力も含めた動き方、動かし方を全て、動きながらでも静止している時でも自然とできるよう叩き込まれた。