第26章 紅蓮の猛火
フィン「ああ。いずれ苦労するだろうね。
見た目だけにとらわれて好き勝手にほざいて、君はろくに嘘もつけないし真っ直ぐだし、真正面から向かい合ってくれる。
そういう人がこの世界にどれだけいるだろう?
その誠実さや純粋さを持った人間が女性の中に果たして何人いると思う?
打算や利用で好き勝手に自分にいいように動かそうとしてきたり、本音を隠して裏で動くような輩が非常に多い中で騙されないように手玉に取られないようどれだけ苦労してきたか。
そういう見た目しか見ないクズは永遠に女性のことで苦労して野垂れ死ねばいい。寧ろ死ね」
ケイト(女性でどれだけ苦労してきたんだこの人は!;)真っ青震え
どろどろとした空気を纏うフィンに、私は戦慄した。
フィン「裏表もない、ろくに騙すこともできない。
そんな一面もろくに見ずに否定するクズは一生女関係のことで苦しめ。死ぬまで苦労していろ。一生裏切られ続けて死ね」
ケイト「フィンが…フィンが狂ったあああああ;
壊れたあああああああ;」猛ダッシュ
咄嗟に背を向けて走り、瞬間移動で精霊王の森へと私は逃げていった。
フィン(いつになったら気付いてくれるかな?(困り顔&腕組み)
あんなに真っ直ぐに向かい合って、嘘もつけなくて、ちゃんと想いを伝えてくれる…そんな子が、世界にどれだけいるか……)
そう一人考え込む中、リヴェリアが歩み寄ってきた。
リヴェリア「どうした?フィン」
フィン「ケイトのことさ。
今逃せば、二度と手に入らない。一生後悔するぞと、勘が強く訴えかけていた。
彼女のような人は馬鹿を見るばかりだ。得することなど早々ない。
だからこそ…少なくなる一方だ。減って当然とも言える。
それでも…どれだけ打ちのめされても、重んじれる。それがとても有り難いんだ。
打算なんて必要ないくらいに、彼女は清いからね」
リヴェリア「ああ。人の中では実に希少、かつ貴重な人材だろうな」
フィン「ああ…いつか、自分の持つ長所を理解してくれると嬉しいんだけれどね」くす
リヴェリア「何年かかるだろうな」はあ
フィン「何年かかるかなあ」ふう
同時に溜息を零す中、「お主ら…また一段と老けとらんか?;」とガレスから言葉を告げられた。
リヴェリア「困ったものだ」嘆息
フィン「自分はこうだと威張り散らすよりはいいんだけれどね」苦笑