第26章 紅蓮の猛火
説明を聞かせた結果…納得はしてくれたが、容認はしてくれなかった。
精霊王から怒られるかもしれない、人の手が入らないようしてるのに、等と俯いて呟いていた。
その表情は眉間に皺が寄っており、怒られることを予期してか沈み、困惑しているようにも見えた。
フィン「…済まない。先に相談しておくべきだった」
ケイト「ううん。
…うーん…まあ、事情が事情だけに…わかってくれるかな?;」
フィン「どうだろうね?流石にそこまでは保証しかねる」
ケイト「もし立ち入り禁止になっちゃったら;」
フィン「ならいっそ瞬間移動で行ってみたらどうだい?」
ケイト「んー、ごめん。今は怖くてとても無理;」
フィン「長引けば長引くほど余計行き辛くなると思うけれど?」
ケイト「うー;…わかった;先に行って謝ってくる;」
フィン「僕も一緒について行っていいかい?一言謝りたい」
ケイト「ダメ。弾かれちゃう。
私は精霊王から直々に選ばれてるからいけるけど…
他は全て入ること自体が無理なんだ。たとえ動物であったとしても。
このネックレスを付けてたら入れるってわけでもないし;
早い話、弾かれるだけで済まされない可能性の方が高いから、先に話を通しておくよ」
フィン「ああ。頼むよ。
すぐ手紙を書こう。その間に食事を先に済ませておいてくれ。
随分と歩き回ったようにも見えるからね」くす
ケイト「あ…うん;
市壁の上の日陰となってる場所の内、一番風通しのいい場所があってね?
それを見つけるまで、結構時間かかっちゃった^^;」苦笑&後ろ頭をかく
どうやら嘘では『なさそう』だね。
所々局所的に砂ぼこりがついているけれど、恐らく寝返りを打った時に溜まった砂ぼこりに当たったのかな?
精霊に操作させて誤魔化すということもできるだろうけれど…
まあ…もし仮にそうだとしても、それなりの考えや理由があってのことだと思う。
話したくないことを、無理に問い質す必要はないだろう。話す必要もない、たわいないことの可能性も高い。
そう考えを纏めてから、僕は執務室へ歩いていった。