第25章 ジャガーノート
ケイト「違う!もうちょいこう!よく見てろ?」
ベル「はい!」
アイズ「……………綺麗」ぼそり
美しくもある動き。僅か一瞬の変化。風さえも斬り裂くそれを前に…息を呑んでいた。
ケイト「見惚れてんな。お前にもできるようになってもらう」
ベル「はい!」
ケイト「と言うかベル…その鍛練で身に付けなくていいなんて思ってないだろうな?」
ベル「思ってません!!」
ケイト「ならいい。全身で突くんだ。全身で斬るんだ。
武器を主軸としてその斬る動きを加速させながら共に斬る。
上から下へする際に振り回すんじゃない。力尽くで振り回せばより傷みやすい。
できるようになればこんなことができる」
ぽーいっ
空へ抛られたのは銀の欠片。直系8cm,全長15cmの円柱。
さっ!!
ひゅ!!!
僅か一閃、されど50に分かたれるよう斬れていた。
それがわかったのは、遅れて散り散りに先端から外れていく欠片を前にした時。
それは今も止まらず、最終的に総合して50の欠片となった。
『うわあああ//』
その様を前にはしゃぐかのように弾んだ声を出していた。
アイズ「この金属って?」
ケイト「不壊属性だ」
『!!!!!??』瞠目
ケイト「私のこれには魔力を通せるそれだからな。
通した上で共に斬ればいけるんだって、最近知った」
アイズ「見せて!」
ケイト「あ、はい!;」
斬れ跡もない。いや…自分が斬られたとさえ、この物質は思ってもいない。
アイズ「どうしたらこんな風に!?」ずいっ
ケイト「苦しませないように頑張ってたらできるようになった」
アイズ「え?」
ケイト「動物の肉を頂く。それは動物の命を絶つことだ。
試し斬りであっても、苦しませたくはなかった。
下手ならば痛みで苦しむ。ならより磨けばいい。
無駄なく、鋭く、相手に斬られたことさえ悟られぬほどに。
そうして磨き上げた武術が風月流だ。格闘技の動きも込みでね」
ベル「ほわあああああああ//(キラキラ)
凄いですね!」ぱああ
見惚れるほどの動きに皆が揃って呆気にとられる中、私は一人考えていた。