第25章 ジャガーノート
アイズ「……凄い」
咄嗟に右へ飛びずさったことで左胸だけ喰らったジャガーノートは、即座に距離を取っていた。
警戒しているのが目に見えている最中、ケイトは槍から再び二振りの短い直刀『双短剣』の状態へと戻す。
刃渡り42cmの切っ先が、真っ直ぐにジャガーノートへ向けられる。
「おおおおおおおおおお!!!!」
ケイト「双短剣術、刺突連斬」
襲い掛かってくるジャガーノートに対して逆に詰め寄り
関節だけをスパイクタイヤのように突き刺しながら四方八方から無尽蔵に続けていく。
攻め続けたことから振り払おうと爪が四方八方へ展開された直後、それが当たる前にチェンソーのように上から頭から足に至るまで斬り裂いていった。
縦へ胸にある装甲が真っ二つにひび割れが入る中、高らかに悲鳴が上がる。
その最中、二振りの直刀がまた形を変える。
ケイト「鎖鎌術」
しゅるっ←分銅を投げ付ける
がっ←爪で弾かれる
ぎゅんっ!←鞭のようにしならせて首へ巻き付ける
びぃいん←引っ張る
背中越しに右隣にある地面へ叩き付けるよう引っ張りつつ
その勢いのまま右足を軸に左回転しながら避けて左手に鎌を持ち直し、全体重をかけた左肘打ちの要領で突き刺す。
ケイト「竜巻落とし」
どごおおっ!!!!
右手を左拳に備え付けて押し込んだそれは綺麗にジャガーノートの鳩尾を貫いていた。
しかしジッとしているわけもなく、必死に爪を振り続ける。
即座にバック転を8度ほど続けて距離を取った後、鎖鎌から変化させた。
ケイト「次々行くぞ、パイオニア。形態変化、太刀!
風月一刀流!」ぶんっ!!
「ぐおおおおお!!!」
爪を全く食らわず全て避け続ける最中、至近距離だったこともあって食らおうと大口を開けた。
ケイト「剛柔剣術・極(きわみ)、無牙零喘(むがれいぜん)!」
「押す」「払う」「突き」「斬る」を一瞬かつ同時に行った斬撃が衝撃波と共に繰り出された。
アイズ「…衝撃波…空気の塊が、武器に?」
食らおうと口を開いた直後、その上顎を剣先で上へ弾き飛ばしつつその四つを同時に行った。
ミネが上でありながらも、その周囲を纏っている空気の塊は鋭い剣筋によって斬撃となって襲い掛かる。
あまりにも凄まじい衝撃により、食らった部位からのひび割れは止まる所を知らず、無数に拡がっていった。