第25章 ジャガーノート
アイズ「!!」
「ひっ」
全身の動きを伴わせて振り下ろされた「全体重を乗せた一撃」はジャガーノートの頭部を軽く粉砕し、絶命させた。
ケイト「で…耐久が低いんだな?」
アイズ「う…うん」
ケイト「攻撃、主に力と敏捷に特化してるようだが、代償として「耐久」は著しく低いのか。魔力もないな。
だが魔石はある。
これだけなら単なる強敵だが、多数で組まなきゃならんのならそれ以上の何かがあるんだろ?
魔法が効かない、だっけ?」
アイズ「うん。
まず魔法攻撃の一切が効かない。
背にある装甲殻「魔力反射(マジック・リフレクション)」で、あらゆる魔法攻撃を跳ね返すから」
ケイト「なるほど。魔剣も通じない、魔法も通じない。
なら難易度は確かに上がるな。で、名前は?」
アイズ「ジャガーノート、ダンジョンの白血球の様な存在」
ケイト「そうか。でも魔石とドロップアイテムはあるんだな」
アイズ「!え?」
ケイト「ほら」
『鎧を纏った恐竜の化石』の魔物が灰となって散った後
牙に等しい「爪」と魔石があった。
アイズ「…破壊の爪?」ごくり
ケイト「復元!」ぽおおっ
次の瞬間、ジャガーノートが用心を取ってか距離を取る最中で冒険者達を蘇らせていた。
ケイト「早く担いで逃げてくれ。私が倒す」
「あ、ああ!恩に着るぜ!」
ケイト「で、爪に何かあるの?」
アイズ「うん。
あの爪は…破壊の爪。不壊属性でないと押さえられない。
紫紺の装甲は魔法を跳ね返すから気を付けて」
ケイト「当たらなきゃ怖くないだろ。フード被ってた方がいいかな?(さっ)
お前達の時は魔石だけ出たのか?」
アイズ「うん。
私達と、フレイヤ・ファミリアで…探してもいなかったから、諦めようとした時に襲い掛かってきて…」
ケイト「大方オッタルかガレスの一撃かな?
誘い込めばあとは簡単だ。
爪を砕いたのはリル・ラファーガかな?」
アイズ「!うん…何で、わかるの?」
ケイト「霊感のお陰かもね。なんとなくわかる。
というか襲い掛かってこないなあ…ひいふうみい、残り三匹か。
どうやら迷宮は私達を倒したいのかな?
それまで生み出さなかった=ギルドのそれにも載ってなかったから教えなかったか?
まあ…この様子を見るに、少しずつ集めていたってことか。
んじゃ行ってくる!」だっ!