第24章 *衝突
フィン「ケイト…この血はどうした?
肺からの出血か?それとも胃か?」
ケイト「げふっ…(わかん、ないよ。そんなの」
フィン「答えてくれ」
ケイト「…どうだって、いいだろ」ふいっ
その目には陰りが差していた。
僕達と過ごす内、とても楽しそうに笑って…輝きに満ちていた。
それが…また、自らの死を望むそれへと…
街がそうさせた、死んだように生きているかのような目をしていた。
フィン「ケイト!」ぐいっ
ケイト「!!」ビクッ!!
恐らく恐怖を感じているのだろう。
肩を掴んだ瞬間、肩を震わせていた。
ケイトの身体に何が起きているのか、未だにわからないままだった。
フィン「…大声を出して驚かせてしまったかな。済まない。
だが…僕は真相が知りたい。
君に何が起こったのか、正直に、話してくれ」
ケイト「……………」
待つこと十数秒、答えは返ってこなかった。
聞く耳持たずか。
フィン「僕の目を見ろ!」ぐいっ
強引に引き寄せ、壁に背を押し付けて僕へ目を向かせた。
ケイト「うっ…」
フィン「正直に話すんだ。どうした?どうしたい?」
ケイト「げふっ…どうだっていいだろ。自分なんか!」
フィン「!(自暴自棄になりかけた時、魔力はその意思をそのまま汲んでしまったのか。
もしくは…自分など死んでもいいと思った時、そのままに殺そうとし出したということか」
血を吐き出しながら叫ぶケイトに、ある可能性が頭をよぎった。
悪夢を見てしまったからか?
それとも…フラッシュバックで、その当時の想いを想起させてしまったのか?
いや、その両方か!(ぎりっ)
そう考えが纏まった後、未だ詳細を話さないケイトに…僕は伝えた。
ケイト「……」俯
フィン「会話を恐れるな。ぶつけてみせろ」
ケイト「っ…」ぎり
フィン「答えろ!!」
物怖じせず、はっきりと伝えていいのだと。
自分の言葉を発していいのだと、伝えたかった。
あの生みの父親のように人の意見を聞こうとせず、声を発するだけで殴る存在はここにはいない、と――