第24章 *衝突
~本編に戻ります~
これは何だろう?夢…?
何でか、昔のことが脳裏に、鮮明に浮かんでく。
ああ。昔の時だ。昔の時の自分だ。
殴られるのが普通だった。殺されかけて普通だった。
誰も護ってくれなかったくせに…生きろなんて、だれも望まなかったくせに。
なんで?…どうして、いまさら……
感情なんて、持っちゃいけないのに…
笑っちゃ、いけない…言葉を発してもいけない……
声が出なくなることは、父親の暴力が原因だった。
荒々しい一方的な暴言、時には職場の怒りを暴力として振るわれた。
誰かから傷を言及されれば躾だと都合のいい体裁を言う。
警察に言った。助けを求めた。それでも無駄だった。
家に戻された跡が一番大変だった。暴言が増えた、暴力が増えた。傷が増えた。
余計に抵抗できなくなった。声も出なくなった。
一方的に言う人が、高らかに叫ぶ人が、怖くて…特に、その人達には出なくなった。
そういう男性が、一番苦手だった。
いじめられている時、父親にされる時のように動けなくなった。喋れなくなった。声が出ず、抵抗できなかった。
どれだけ訴えかけても…
「精神的な問題だろ」「気合が足りん」「鍛えてやってんだよ」
そんな些末な問題なら、どれだけいいことか…
「死ね」「学校に来るな」「明日来たら殺すぞ」
そうしてくれた方が有難かった。両親は体裁が大事だ。
学校でそういう目に遭っていると伝えても、結局は…学校に行かされた。
学校もまた体裁が大事だ。先生も同じだ。誰も助けてくれない。
私は殺して欲しかった。なのに死ななかった。
殺して欲しいのに、涙ながらに訴えかけても嘘つき呼ばわりしてきたくせに…
何で殺すぞと言ってくれたのに、殺してくれなかったんだよ……
私は…その言葉に縋ったのに、結局は…殺してくれなかった……
水の中に押し込められて、その上で全身をぎゅうぎゅうに圧迫されるように感じる。
自分なんて…いない方がいいと、何度でも聴いた。
大事にしろなんて、誰が言うんだよ……
わかんないよ…今更、どうしろって、言うんだよ……
言われたことも、なかったのに………