第23章 暴走
ケイト「ってあれ?妹は!?シルキーのことは?」
ヘファイストス「ええ。書いていたわよ。
手紙の大半があなたと彼女のことで埋められていたわ」遠い目
ケイト「…なんか、ごめんなさい;」ぺこり
ヘファイストス「いいのよ。
それだけ愛しているということなのは理解しているわ」くす
ケイト「…ヘファイストス様」じーん
ヘファイストス「でもね?
もし妊娠することになったとしても、出産することになったとしても
加減はちゃんとわきまえるようにしてね?」
ケイト「え…えっと?;」おろ
ヘファイストス「途中からうんざりを通り越すほど書かれていたのよ」溜息
ケイト「ごめんなさい…;」しゅんっ
ヘファイストス「Lv.6の冒険者でね、椿の師匠だった。
今からちょうど8年前に結婚した時に「ヘレイオス街でオリハルコンの研究に専念したい」って言われて、7年前に半脱退状態であなたの街に移住していたのよ」
ケイト「え!?」
椿「うむ!手前は弟子だった^^」
ケイト「ええ!!?;
通りでなんか太刀筋が似てるなあって思った;」
ヘファイストス「ええ、そうね^^(くすくす)
試し斬りは命だ!って、昔からヴェルフィンに叩き込まれていたから。
俺がもしもの時はあなたのことをよろしく頼むとも言っていてね。
その前にロキの所に取られちゃったわけだけど」
ケイト「ごめんなさい。記憶ないまま択んじゃって…;」
ヘファイストス「でも、それが今では正解だと思えるわ」
ケイト「え?」ぽかん
ヘファイストス「だって…随分と楽しそうに笑うようになったじゃない?
話し方や意識だけでも、随分と表に出るようになった。
遠慮ばかりしていたのに、敬語も崩れてきて話せるようになってきた。
その変化が、私には嬉しいものなのよ。
ヴェルフィンだって喜んでるでしょうね(ふふっ)
一度は壊れてしまったあなたが、ここまで治ったのだから^^」
ケイト「!!
……そう、かな?//」
その言葉に、心の中では嬉しさを抱きながらも尋ねていた。
それにヘファイストス様は、「ええ」と短く答えて頷いた。
笑みを浮かべるその言葉に悪意は無く、一切感じず…より一層、込み上げる嬉しさがさらに増した。