第21章 *初めての…
ケイト「……私はさ…実際に、そういう目に遭ってきた。
でも…変わんないよ」
フィン「へえ…平気でいられるのかい?
精神的に潰れ、廃人になりかけてる…その上、心まで崩壊させた原因をわかっていて」
ケイト「…一発は殴りたくなるだろうね。
でも、それだけだよ」
フィン「?わからないな」←眉間に皺が寄っている
ケイト「……私はさ…ああ、もう!正直に言うよ!
殴った程度で、満足できない!って言うかできるわけないじゃん!!
第一さあ…そんなに思い詰めてる人相手に、それを前にして…平気でいられるわけないでしょ!?
でも…それをやったら、きりがないってことだけはわかってるんだ。
いつまでも殴って殴って殴り続けて、死ぬまで殴って、それでも満足できないって自信がある!!」
フィン「奇遇だね、僕もだよ」
ケイト「うん。
絶対に納得なんてできないよ!我慢もできないよ!!
でも…言ったでしょ?『血で血を洗う抗争になる』って。←706ページ参照
互いにキリのない所まで行くとして、摩耗したそれを狙わないなんて思えない。
そんな保証なんてどこにもないし…楽観視なんて、私にはとてもできない。
皆の方が大事だから、特に。
私には…どうしてもさ、免罪符にして引き合いに出して殴るのを正当化したら…それこそ、同じになるって思う。
私のせいで、人のそれを変えるのも我慢できない。それに…危険性だって上がる。危ぶまれる。
そっちの方が…私には、耐えられそうにもないんだ。
その…うまく、伝えられなかったんなら…ごめん。
でも…仕返しは、嫌なんだ。あんな思い味あわせて、平気でなんていられない。
ってこの言葉自体キリない!;前も似たようなこと言ったし!;」
フィン「うん…正直、それほど考えての意見だとは思ってなかった。
済まない。君の考えを、言われた言葉だけで考えていた。
確かに…戦力を割いている間に狙われる危険性もある。
どうにも…君のこととなると冷静さを欠いてしまうようだ」溜息
ケイト「でも街の人達に対してだけでしょ?
大丈夫だよ、私の方はまだ冷静に見れてるから。
どれだけ言っても無駄、訴えかけても無駄、何しても無駄だったから」遠い目
フィン「うん、早い話諦めがついているんだね。
僕もそう思うことにするよ(腕組&やれやれ嘆息)
皆にも伝えておこう」