第21章 *初めての…
30秒ほど僕の様子を見ていたが話しかけ辛く、これでも頑張ったのだと言う……
僕の場合は5分早く上がったわけだが…
その5分の間に鎮まったかと思いかけていた感情は、また再び渦を巻いていた;
ああ…ダメだ、乱暴に扱ってしまいそうで落ち着かせる為に走って出ていったはずだったのに…;
フィン「…済まない」
ケイト「?何が?」
フィン「いや…//
あまり、近寄らないでくれ。
乱暴にしてしまいそうで怖いんだ」
ケイト「やだ」
フィン「!?;」
ケイト「だってさ…フィンの言う乱暴にって、そんなにじゃないよ。
ただでさえいつも気を付けてくれてるじゃない。
それに…我慢はしないんじゃなかったの?セーブしてちゃ前と同じだよ?」
フィン「ぅ;」たじっ
ケイト「傷付けるのが怖くってもさ…
それで傷付くかどうかなんて、結局はやってみないとわかんないよ。
私はね…フィンになら、いいって想ってる。
だから、いつも隣で寝てるんだよ。安心するっていうのもあるんだけどね^^//;」ぽりぽり
フィン「…」
ケイト「だからその…我慢は、身体によくないよ?」おず
フィン「………はあああ」
ケイト「!!?
え?何?;(おろおろ)
何でそんなに深々と溜息を?;」
フィン「いや…君にだけは言われたくないなと、ふと思ってね」
ケイト「え!?;」
フィン「第一…あれだけの仕打ちを受けてもなお護るとは、我慢の域を遥かに凌駕している」嘆息
ケイト「ぅっ;」ぐさっ!
フィン「それも…同じ痛みを味わって欲しくないという我が儘だ。
相手に伝わってない上に、一方通行のね。
針の筵のように常に罵詈雑言を吐かれ続けてもなお、死んだように生きていろと育ての家族を殺されてもなお、そう想える君は…我慢自体が日常だったんだろう。
頼れる相手もいないまま、誰も頼りもしないまま…ここまで来てしまった。
仕返しもせず、甘んじて受け入れ、したいようにされ続けてきた。
自分の意思の主張もせず、常に殺してきたはずだ。
それを我慢と言わず、何という?」