第21章 *初めての…
バスローブ一枚を纏った状態で走りに走って、寝室の中に入ってベッドに腰かけて息を整えること数分…
完全に冷静さを取り戻した頃になって、僕はようやく自らの起こした失態に気付いた。
しまった…肝心の言葉でミスをしてしまった!!;
テンパっていたのか、言葉を間違えた!;(頭抱え)
フィン『ケイト、これからシャワーで身体を流した後、頭を乾かして寝室に行く』←751ページ参照
このままでは頭だけ乾かして全身ずぶ濡れのケイトがバスローブ一枚で廊下を水浸しにしながらやってくる!;
いや、やり兼ねない!!;
フィン『ベッドに着いたら脱がす予定だ。バスローブを二つ用意してある。
それを着てベッドに来てくれ//』←上記と同ページ参照
言葉をそのまま鵜呑みにするケイトのことだ。
二つあるそれを両方着ようとするはず!
「あれ?一つしかない?」ということになり兼ねない!!;
何故僕はあの時冷静さをっ!全てを吹き飛ばしてっ!//
この鼓動がっ、動悸があああっ!!//;(ドキドキ&ガンガン!)
動揺に駆られる心のまま、思わず頭を壁に打ち付けていた。
傍から見ればさぞかし壊れたように見えるだろう。
ケイトの裸を思い出したせいか余計に取り乱すことになっていることにさえ、その時の僕は気付けていなかった。
ケイト「あの…フィン、大丈夫?;」←扉を開けて入ってきたばかり
フィン「!!…あ、ああ。
!!!…水浸しじゃない…!!」瞠目
ケイト「当たり前でしょ!何考えてんの!?;
水浸しのまま来たら廊下までずぶ濡れになって皆に大迷惑じゃん!
おまけにローブはフィンのと私のとでしょ?
あんな巧妙に見えないような場所にあったなんて、他の男は気付かないよ。
まあ、私の場合は精霊導のお陰で気付けたわけだけど…//」ぼそ
フィン「よかった…(ほっ)
君は子供のように純粋過ぎるから…心底、心配したっ//」ぎゅうっ
ケイト「誰が子供だ!?;」ぷんぷん
胸を撫で下ろして安心のあまり思わず抱き締めたわけだが、ケイトから返ってきたのは怒りだった。
初夜として共に過ごすはずが、途中から目的がずれていき、気付けば2時半になっていた。