第20章 龍人化
フィン「尻尾は周囲の魔力なのかな?」
リヴェリア「それを固めて実体の尾のように操っているのではないか?」
ラウル「…す…凄過ぎるっす;」
ガレス「圧巻、じゃの…」
ティオナ「…;」
ベート「戦いたくなったんじゃねえのか?」
ティオナ「無茶言わないでよ…
私は…何か…あの状態のケイトとは、戦いたくない」
ティオネ「圧倒的過ぎるわね…」
アイズ「…うん…凄い」
レフィーヤ「…まるで、小さな龍みたい」ぽつり
リヴェリア「それに近い状態なのだろう」
各々感想を零す中、ケイトが動いた。
彼等の背中に目を細めた。恩恵を見ようとしたのだろう。
魔力を通して見た恩恵(ファルナ)をもとに、それを刻む為に使用された『神の血』を読み取るや否や、二人の神が天から引き寄せられた。
大気中の魔力が騒いでいたことから、恐らく形を持たない魔力を一介の引力として操作して引き寄せたのだろう。
リヴェリア「あれは…」
フィン「ああ…神だ」
ケイト「ふぅーふー!!」がばっ!←腕を振り上げる
フィン「待て!殺すな!!」
ぴたっ
神はこの世では力を持たない存在、今振ろうとした力では死んでしまう。
だからこその言葉だった。その意図を読み取ってか、途中で動きを止めた。
「待て!落ち着いて話し合おう!!
親しい人はいないか!?」
ケイト「ふぅー」
今更何を
「君ならばオラリオを崩壊させることも容易いだろう?
死に別れた者と一緒に転生させてあげよう。
どうだ?いい取引だろう!?」
ぎり!(歯ぎしり)
リヴェリア「フィン?」
そういうこと(腹)か!
フィン「耳を貸すな!!」
「大切な者とまた生きていきたいだろう!また共に笑いたいだろう!?」
ぴくっ
その言葉を聞いた矢先、僅かに目元の表情が変わった。
恐らく、育ての家族が脳裏に浮かんでいるだろう。
それを見逃さず下卑た笑みを浮かべると共に、彼はなおも続けた。
「にや)私の眷属となれ!(ガシッ!!)←ケイトの頭の左目元あたりに右手を当てて顔へ引き寄せる
お前の望みを叶えてやろう!!
私が天界に戻った時に会わせてやる!!」
ケイト「お前は…殺戮を楽しんでいるだけだろう?」
『!!』
濁点の入ったような低い声が響いた。
そして次の瞬間、魔力を通じてかケイトの思念が流れ込んできた。