第20章 龍人化
フィン「…どうやって帰ってくるつもりだ?」
ケイト「え?」
フィン「身体を喰らうとする。それで…帰ってこれるのか?」
ケイト「………」俯
フィン「策は尽きたわけじゃない。打開策ならもう一つある。
僕達の魔力を、全て喰らい尽くすことだ」
『!!』
フィン「このままだとやられる。ただでさえここ(通路)は狭い。
リヴェリアやレフィーヤの魔法では建物まで巻き添えにしかねない。並行詠唱に時間もかかる。
接近戦しかないとして、徹底的に狙われれば防戦一方だ。
だが、ケイトの魔法は無詠唱で状況に合わせた魔法を生み出せる。
今ここですべき最善策は、ケイトがここで全快することだ」
リヴェリア「……なるほど。
ケイトとの修業で、魔操作がなくとも周囲の魔力を吸収することはできるようになった。
それさえも彼女に送り込めば、あるいは…」
フィン「ああ。これ以上の策が思い浮かばない。
済まないが皆、力を貸してやってくれないか?」
ガレス「要するに賭けか」
ベート「そりゃそうだな。
いつまでも足手纏いのままじゃ邪魔なだけだ」
ケイト「やめろ!そんなことしたら!」
フィン「なに、戦えなくなるわけじゃない。
精神力が枯渇すれば気絶するだろう。
だが、魔力は尽きたとしても気絶するわけじゃない。
君も僕の妻なら、覚悟を決めて受け取ってくれ」ぽんっ←肩に手を置いて送り込む
ケイト「!!
……っ…馬鹿だよ」
フィン「そうだね。
僕自身、君に縋った方法になったことに驚いているよ」片目瞑
ガレス「無駄口叩いとらんでぱっぱと持っていけ!」とんっ!
ベート「手荷物のままで満足じゃねえなら根性見せろ!
喰らい尽くせるもんなら早くやれ!!」とんっ!
フィン「ケイトを中心に各々構えろ!!
これから僕達がするのは防御のみ!決して彼女に攻撃を通すな!!」ざっ!←ケイトの正面に立って構える
アイズ「うん!」
ティオナ「わかりました!!」
ティオネ「かかってこーい!!」
フィン「ケイト、それでも足りないのなら傍にある魔石でもいい。
僕達越しに触れた相手の魔力まで喰らって、魔力に変えて、全快状態になれ!」
ケイト「…わかった!!」こく
それから私は…覚悟を決めて立ち上がり、魔力を高めることに集中した。
オッタルとのあの時(217ページ参照)のように、高鳴れ――っ!