第3章 家族として
これが街に辿り着くまでの間でわかったことだ。
何故剣士というアビリティがついたのか問われたが
その件に関してはフィンが「剣をよく使うからこそだろう。身体能力が負けていてもなお、アイズを負かすほどの腕がある」と、アイズとケイトの戦いを証言したことで説明はついた。
純粋な魔力だけを刀身のみに纏って使っていた。体内でも身体能力強化に使用していたように見えた。
切れ味が火や風や雷などのそれよりも遥かに上がっていたのは、それよりも多くの魔力…街に散在する魔力にまで意識を拡げて共有できたこと、そして使用に成功した証だろう。
そうでなければIから一気にEまで上がるわけがない。
死闘を経て、それほどに体内体外に関わらず魔力というものを御し切ることに成功したのだと思う。
その際の白く発光する神気と見紛うほどの魔力を纏うコツを掴んだ。
その結果、魔操作を得てから発現しかけていた魔法、ホワイト・ノヴァが目覚めた。
そして絶え間ない戦闘をもって、一睡もせず励み続けたこともあって体精癒を獲得した。
これもまた辿り着くまでの3日の間に修業を課したと説明済みだ。
おまけに寝ずに魔力の制御を無意識にでもできるよう修業に励んでいたという記憶もまた、戦闘中に行っていたそれをもとに偽装済み。
リヴェリア「問題はこのことの凄さを本人がわかっていないことだな」
ロキ「そうやな。半減しとると言っても、それはランクアップにおける【経験値】だけみたいやし、階層主の件だけか?
最後のあの復元だけは、まともに1やった。
数値はちゃんと倍になっとったし、魔操作とかのアビリティも然りや。
ステイタス更新せんでも、ランクアップしてることだけはすぐに伝わってきたで。
そもそも白いのを斬撃にして飛ばしてモンスターだけは着いてすぐの内に全部一掃しとったやろ。
でもって街の人達は目に付いた人達全快状態にして、生き返らせられる人はクリエイトで蘇生して。
手間取ったんは階層主との戦いだけやった。
というか…クリエイト自体、魔力と精神力さえそれに見合えば何でも実現可能やって言ってるようなもんやしなあ」
フィン「狙う奴も多いだろうね」
リヴェリア「四肢欠損まで元通りに復元していたからな。あれはもう治療という域を脱している」
ガレス「わしらが護れば済む話じゃわい。
誰か常に一人付けるか?」