第19章 宴
ケイト「?
私は昨日やっと立てて歩ける程度、走るにしても30分が限界。
距離だって随分と少ない。なら館内でできること、それにフィンには団長としての仕事だってあるし。
自分一人のせいで皆にまで迷惑かけるわけにはいかないでしょ?
この予定変更だって急なんだから、無理ない程度にしないとさ」
フィン「ああ…じゃあ、遠慮なく手伝ってもらおうかな?
リハビリも兼ねてね」
頼むよ、と一言添えると彼女は意気揚々と嬉しそうに力強く頷いた。
『未亡人にさせないでくれ』←378,517ページ参照
あの言葉は…今でも、本気で思っている。死んだ後で生きていられるなど思えないくらい、欠かせない存在となった。
どちらにとっても――
だからこそ思う…こんな時間が、永遠であればと……
4月26日、その日の昼3時までの内に仕事を終えた。
やはり皆が言うように効率がいいやり方を取っている。
長年の習慣、食糧集めのそれで手早くやる癖がついたのだろう。
初めて共に入った湯舟、特にシャワーは非常に気を使った。
その次の日、朝からの特訓の成果もあってか走れる距離が大分と増えて…
少しずつ距離が伸びていき、皆の協力もあってかギルドまでの距離ぐらいならば歩いて行き来できるようになった。
総出でリハビリに協力するあたり、皆との仲も極めて良好のようだ。
理解した上で受け入られるなど初めてのことだろうからね。
まあ…ロキが直接選んで入れている方が多い。
ひいき目抜きにしても、それでもなおきつく当たる人間がいないのがケイトにとって救いかな?
そのついでにケイトは直接ディアンケヒト・ファミリアの治療院でアミッドに改めて礼を言いに行き
無事に快方に向かってよかったと、解呪魔法を伝授してもらったという。
ケイト「!これって…」
アミッド「しっ(人差し指をケイトの口元に当てる)
あなたなら、この魔法を正しく使えるでしょう。
受け取って下さい。そして…沢山の人を救って下さい//」微笑
目を細めて笑いながら、「一度受けた魔法はクリエイトで使えるのでしょう?あなたの英雄譚の本で知りましたから」と言い放った。
それにケイトは、再び昔のように土下座を行った。←327ページ参照
今度は礼と共に。感謝を込めて…誠心誠意……
最後に、例の宝具を再び作って預けたそうだ。