第19章 宴
フィン「家族を殺しかけたあれは、はっきり言って『僕達ロキ・ファミリアへの敵対行動』だ。
それを同盟書にも残しておいた。
また彼女を害する行為を一つでもした場合、接触を持ちかけた時、街へ攻めに行くと」
ケイト「!そんなっ」
フィン「皆で話し合って決めたこと、ロキ・ファミリアとしての総意だ。
全面戦争だってその気になればいつでもできる。君が望めば、今からでもね」
ケイト「…だ、ダメだよ!!
フィン「それに縛られて今もなお怯えている君を、笑って見ていられる人間だと思わない方がいい。
そんな人間は、ここには一人としていない。こと、ロキ・ファミリアにはね…
僕達は…既にはらわたが煮えくり返っている。街の人達が犯し続けた所業、ひいては非道に。
君は精神が壊れた。記憶を無くした。無反応になった。
精霊に動かされなければ動けないほど、憔悴しきった。
そして街の人達は、ケイトに剣を投げ付け背に刺し、石を頭に投げ付けて倒し…
それらの行動さえも無かったことにして、同盟を結ぼうとしてきた。
本当なら…本当なら、問答無用で攻め滅ぼしたかった。
それでも…それを繋ぎ止めたのは、君の愚直とも言える『善意』からだ。
しかし彼等彼女等はまた…君が死に掛けている時に揃って笑い、当然の報いだと罵った。
ベートのそれが無ければ、我慢できずに全員で一丸となって攻めに行っていただろう。
ケイト…君の怒りはわかる。
それでも…僕等もまた、押さえ切れないほどの激流にいるのはわかって欲しい。
君の選択肢は二つ。殺すか、生かすか。どちr
ケイト「生かす!」
フィン「理由は
ケイト「それってさ、誰がやってたの?」
フィン「?」
ケイト「誰が教えたの?
他人の口から聞いただけでしょ?
激情に任せるなよ!闇派閥の罠かもしれない。
テレポートで移動するにしても、離れている間に何かする為の誘導かもしれない」
フィン「!!(しまった…
その可能性は頭から飛んでいた」
ケイト「それほど大切に想われてるのは嬉しいよ?
でもさ、それで自分や周囲まで見失うなよ!
まあ…私も人のこと言えた義理じゃないけどさ;(ぽりぽり)
ともかく!私は…街の皆殺しは反対だからね?」
フィン「…わかった。一先ずこの件は保留にしよう。
君が望むまではね」
ケイト「誰が望むか!」ぷりぷり