第19章 宴
ケイト「効率性を重視してるんだ。相手に寝首かかれたらそれで終わりだし」
フィン「ご尤もだね…(片目瞑&肩すくめ)
死に掛けた数、こと死んだ数に関しては…君の方が上かもしれない。
そこから君は学び抜いたのか?独力で、独りのまま」
ケイト「当然だ(きっぱり)
そもそも、相手は何も教えちゃくれなかったさ。
あるのはただ…理不尽な暴力しかない。それも、苛立ちの籠った…
何度も何度も食らえば次の行動はどれか学習できる。
僅かな機微、全身を同時に視野に入れて注意深く観の目で見る。
死ぬほど繰り返した。死んだこともあった。それでもいいようにはやられたくなかった。
気付けば、野生動物相手でも同じことができるようになってた。
私は…負けるのが大っ嫌いだから。死んだ方がマシだってぐらい、あいつらが大っ嫌いだから。
自分一人の都合しか、あいつらの目にはない。独り善がりの正義しか、理屈を押し付けて振りかざして人を苦しませて高笑いするしか、保身しかないのさ。
そんな奴等と同じになるぐらいなら、死を選ぶ。
だから私は、言葉も行動も暴力を取らない道を択んだ。
振りかざしていい理屈なんて要らない。やっていい行為じゃない。
人に痛みを与えて平然としてられる所か、それさえも笑いものにして笑って生きていけるクズにだけは死んでもなりたくない。
人にされたからやっていいなんて理屈で、無関係の人まで同じことやっていいなんて理由にはならないだろ」
フィン「…そうだね。
僕としても見過ごせないぐらいには、あの街は見苦しかった。
訴えられないのを棚に上げているようにも見えた」
ケイト「私は…あいつらに触れるのも嫌だ。関わるのも嫌だ。
存在自体が嫌いだ。死ぬほど大っ嫌いだ。
でも…そんな人にでも、大切な人はいるだろ?人生があるだろ?
だから絶対…同じ思いなんて、させたくないんだ。
犯罪者にさせないのが一番なんだろうけれど…あいつらは止まらなかった。
泣こうが喚こうが、平然と痛み与えて笑ってた。友達とやらとつるんで、笑って遊びみたいにやってた」
フィン「で…そのことと武術にどういう関係が?」