第19章 宴
ガレス「じゃがいずれは妊娠するじゃろう?
その場合どうする?」
フィン「その時は、やっぱり馬車に乗っててもらおうか」
リヴェリア「そうだな。
ケイトのことだ…
馬車の上に座りながら爆走させ、立ち塞がる敵に対して殲滅砲台などやり兼ねない」
ガレス「それは…;」遠い目
フィン「目に浮かぶね…;」遠い目
浮かんだ光景は、馬車の上に座ったケイトが上から立ち塞がる敵全てに爆殺魔法を叩き込みながら笑うもので、通った後に残されるものは焦土だけとなる光景だった…
ケイト「あのさ、ベート。
伝えたいことがあるんだ」
ベート「あ?」
ロキ「そうや!早とちりの件怒ったれー」
ケイト「いや!そっちじゃないよ!?;
あのね…あの時、ああ言ってくれてありがとう。
私はさ…はっきり言って、諦めかけてた」
ベート「は?」
ケイト「クノッソスの帰り道…
私は、ああ言われるまで…もう無理だって、思いかけてた。
というよりも…満足しちゃったんだ。
死ぬことよりも生きることを最後の最後に望まれて…
それが、とっても嬉しくって…意識が薄れていって……
『ああ…いい人生だったな』って、そう感じて…もう十分だって思いかけた。
だから…言ってくれなかったらさ、なにくそって頑張れなかったと思う。
あそこで踏ん張れたのは、ベートのお陰なんだ。
だから…礼を言わせて欲しい。生還する為に頑張るきっかけを与えてくれて、ありがとう」90度お辞儀
ベート「ちっ。勘違いしてんじゃねえ。
お前がその程度か見極める為だ」
ケイト「わかってる。でも帰ってきたぞ^^」にや
ベート「……はっ(にや)
認めてやるよ」ぼそ
ケイト「ん?」
ベート「お前は馬鹿だが、人の為にしか頑張れねえ大馬鹿野郎だ」
ケイト「……どういうこっちゃ?;」ぽかーん
ベート「二度と目の前に現れるなって言っただろ。どけ」
ケイト「…(にやり)
…(ぽんっ)←ベートの肩に手を置く
ちゃんと、わかってるからね?」にや
ベート「やり辛ぇんだよてめえは。ちっ」
気に食わなそうな表情だった。
でもそれはよくよく見ると口端が上がっていて、その笑みに…私はちょっと嬉しくって笑った。