第18章 絶対安静
フィン「………」
ケイト「フィンー?;」
フィン「…(はっ)
済まない。悪い夢でも見ていたようだ。白昼夢かな?^^;」
ケイト「それは現実逃避?;」
フィン「いや…何故「空間消失魔法『6億発』」=「オラリオ全土爆砕魔法『一発』」に?」
ケイト「ん?それは仕組みが単純だから。
私は、人間も生物も殺したくない。
無論それも含めて条件指定できるんだけど、空間消失魔法は癖がない。
爆砕魔法は、破片で傷付けて殺してしまいかねない。
だからどういう順番で、どういう風に爆砕していくかまで事細かに指定しないといけない。
精度が空間消失魔法よりも何倍以上も必要となるんだ」
フィン「…なるほどね…
空間消失魔法だと生物以外を囲うように指定し、後は囲ったものを全て空間ごと消失させるだけでいい。
単純な条件だけで済むから、その分必要となる魔力量も減るわけか」
ケイト「クリエイトはどんな魔法でも作れるけど、複雑になればなるほど必要魔力量が上がっていくんだ。
目的の作用をもたらす為には式をより複雑に組まないといけなくなる。
例えばこの場合だと、生物のいない範囲は周囲に吹き飛ばないよう爆砕、生物のいる範囲は巻き込まないよう爆砕。
さらに生物を巻き込まないよう爆砕の条件に、複数付与。
建物の内ならどこにいるかどのように巻き込まず爆砕させるか、おまけに外でもどれぐらい建物から離れているか。
どれぐらいの速度で歩いているか。走っているか。進行先にある建物は?近い建物は?人の集まりでも規模は?密度は?状態は?
全ての可能性を組み込まないと、ちゃんと望んだ通りの結果をもたらす魔法にはなり得ない。
それ以外のそれに当てはまるものがあった場合は、それが考慮されないから」
フィン「ふむ…
つまりを言うと、条件があまりに多過ぎてそれ相応の魔力量が消費させられるというわけか」
ケイト「爆砕して飛んできた瓦礫の破片で怪我する可能性もあるからね。
全員無傷でするにはそれぐらいしないと。
それとは引き換え、時空間は囲む指定条件から生物外すだけだから簡単。
囲んでボン!複雑な条件指定も何も要らない。
おまけに付与で生物に全快効果付けちゃえるぐらい余裕満々^^♪」
フィン「よく分かったよ…実に君の性格が出てる」
ケイト「え?何々?」キラキラ
フィン「シンプルイズベスト」
