第18章 絶対安静
そう言えば違和感はあった。
消耗はない。魔力の分散は無にできる。密度が果てしなく高い。
だからこそ、ドラゴン・ソウルを発動時と魔法として分散した場合の消耗だと思っていた。
しかし、そのドラゴン・ソウルを魔法として発動する際に必要となる魔力量が別にあるのなら?
ケイト「うん。
発動の際には必ず、魔力の密度を100億発分のそれにして内から爆発させるようにしないとできないんだ。
つまりドラゴン・ソウルは、『身体能力だけじゃなく魔法に至るまで自身の全て』を周囲の全てを魔力として喰らい、魔力が無くなるまで無限に強化し続ける魔法。
ちなみに発動している間は、強化する為に必要となる魔力が常に消費されてる。
だからこそ発動時間を伸ばす為と釣り合いを持たせる為に、立っていた場所の地面ごと周囲のそれを魔力として喰らう作りになったんだろうね。
身体が変動で慣れるまで大変だったし、最初の時は不屈を持っててもぶっ倒れたし。
だから部分的に発動するか、自分の意思で細目に解除した方が消耗少ないぐらい。
で、一度解いたらまた100億発分を必要となるわけだし…
前にフォモール500匹を一掃する時に撃ったサイレントランサー(462ページ参照)を10発分消費して発動するんだ。
だから倒したモンスターの魔石とドロップアイテム以外は、魔力として喰らうようにしてたの。
あ、サイレントランサーを使った時の面積って精々オラリオの半分ぐらいだったでしょ?
あれは空間消失魔法じゃないし、仮にそうだったら魔石もドロップアイテムも残らないでしょ?
あの魔法は、ただの魔力の塊をぶつけて魔力として喰らわせるだけの単純なもの。
地面も焼け焦げるぐらい喰らっちゃったけど…;
で、空間消失魔法なら時空間属性で範囲と規模を指定すれば今からでも撃てる。
魔力の総合量が遠征前日の時には198465から258328に上がってたし。
魔導持ってるし、魔法円は魔法円でも周囲の魔力を集めながら強化して魔法を放てるからこその威力かな?
斬られる以前にはサイレントランサー60発分。
普段0.05秒治るのにかかる怪我が完治に5秒かかる。
普段の100倍遅いということは、今できるのはサイレントランサー0.6倍orオラリオ滅亡空間消失魔法6億発ってことに…
あの…フィン、何で何も言ってくれないの?;」
