第3章 家族として
ロキ「ということは、最後のあれだけは【経験値】と認められたんか」
フィン「護りたいだけとはいえ、自分を護ろうとしていなかったからね。
急所さえ外していればどれだけ傷付いても構わないと思っていただろうし」
リヴェリア「どうせ治るからとでも考えていたのだろう」溜息
ガレス「そこもまた得られる【経験値】を半減させたというわけか」
フィン「でも正道と言えば正道だ。周りを護るという点に関してはね。
ただ、視野が狭かった。未来のことを考えていなかった。
血が足りなくて死に掛ける可能性も加味していない。
一週間目を覚まさなかった原因が血を流し過ぎたことだなんて、今も思ってさえいないだろう。
今さえよければそれでなんて…それこそ愚かだ。愚突猛進なんて皮肉に聞こえる」
ガレス「随分饒舌じゃの、珍しく」
フィン「いや…本人の本質はわかっているんだ。
あれほど…あんな目に遭い続けてもなお、人の為に尽くそうとする人は今までに僕は見たことがない。
それでも世間の目は違う。
そう見られることが耐えられない。他でもない僕がね。
だからつい、厳しい言葉を取ってしまったんだ。
今後において、気付かないまま傷を負い続ける可能性だってある。
それを味わう前に…僕は止めたかったのかもしれないね」
リヴェリア「そうだな。確かに理解も得られない状況は芳しくない」
フィン「うん…捨てたもんじゃないなって思ったよ。
ヒューマンも悪くないとさえね。
だから…まあ、色々と考えてしまったんだ^^;ははっ」苦笑
ガレス「お主がそうなることも珍しいが、気持ちはわからんでもない。
わしもじゃしのお」ふっ
リヴェリア「そうだな。
かく言う私も、何かとつい気にかけてしまっている。
副団長という立場もあるのにな」ふっ
ロキ「入れるよう勧めたのはうちとアイズやで?褒めて褒めて♪」
フィン「はいはい。感謝してるよ^^」くす
ケイトというイレギュラーの存在…
それにかき回されているようにも見えて、あの実直さは嫌いじゃない。
あの純真さを忘れないまま成長して欲しいという想いと
何故か放っておけない、護りたい、その後の成長が楽しみだという想いもある。
きっとアイズも強さだけじゃなく、そこに惹かれたんだろう。
誰かの入団を望んで僕らの前で戦うなんて、初めてのことだったし。